富士見丘 SGHの活動開始

今年4月から、富士見丘は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)指定校として認定された。グローバルリーダー育成に向けて、はやくもその活動が始まったが、その活動は、中高一貫校ならではの格別な動きでもある。by 本間勇人 私立学校研究家

高校1年生「サステイナビリティ基礎」の特別授業として、慶應大学大学院メディアデザイン研究科大川研究室(大川恵子教授)によるワークショップ

5/9(土)3・4限 高校1年生「サステイナビリティ基礎」の特別授業として、慶應大学大学院メディアデザイン研究科大川研究室(大川恵子教授)によるワークショップが行なわれた。大川研究室の大学院生および留学生が、グループに分かれた富士見丘生にファシリテイターとしてロールプレイを行った。

SGH推進リーダーの大島先生(教育担当参与)は、「ゲームやブレインストーミングを通し、友達と協働学習する楽しさを学ぶと同時に、グローバル規模の課題を発見し興味をもつこと、さらに、グループで勉強するスキルを身につけることへの大きな1歩となったと思う」と語る。

このような高大連携が5月にはいってすぐに実施できるのには特別な理由がある。それは昨年1年間、慶応大学や上智大学など多くの大学とコラボレーションしながら、骨太のプロジェクト型学習を積み上げてきた実績があるからなのだ。

ところで、一般にSGHは、高校段階からの話で、中学には関係がないと思われがちだ。しかし、それは高校しかない学校の話で、富士見丘のような中高一貫校の場合、プロジェクト型学習やアカデミックスキルの基礎を身につける準備は、中1から開始できるのである。

(左から 参与大島先生、学年主任森先生、生活指導副部長美濃部先生)

そこで、中1の担当の先生方は、LHRを活用して、PBL型のアクティブラーニングを行うプロジェクトを立ち上げた。基本的には、まずは、好奇心、オープンマインド、新たな問いの気づきなどアカデミックスキルの大前提になる構えをつくるところから、丁寧に行っていくようだ。

そして、何より自分を見つめ互いに協力し合える人間力や人間関係構築力を形成するプログラムを作成し実施しようということのようである。

このような中1における挑戦は、教科学習や探求学習(富士見丘では自主探求「5×2」は中1から始める)、部活や行事の協働活動などの土台作りを当面の目的にしているが、吉田校長によると、「6か年一貫全体の目標としては、高校からのSGHにシームレスにつながり、来るべき高大接続システム改革における新テストにも対応できるようにしようというねらいもある」ということである。

中高一貫校ならではのSGH構想。文科省も想定する以上のグローバル教育のモデルを大いに期待しているのではあるまいか。

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