工学院

工学院 英語科ミーティングのスナップ

工学院大学附属中学校高等学校(以降「工学院」)は、来春の中1からハイブリッドインターナショナルクラスを設置する。英語以外の数学や理科などもイマージョン率を上げていくクラス。授業のシステムや思考力育成のシステムは、IB型(国際バカロレア型)で、対話、ディスカッション、プレゼンテーション、深い洞察に基づいたエッセイなどハイレベルの教育。

そして、その教育を偏差値がそう高くなくても意欲に燃え、考えるコトが好きな生徒にも開放する。 そのためには、教師陣の授業力・教師力・対話力、そして英語力には、今までの日本の教育ではちょっと想像できないほどのソフトパワーが開発されなければならない。

そこで、昨年から工学院は、IB型の教師力向上のために、様々な研修を行ってきた。そして、各教科のミーティングで、自主研修ができるまでに進化した。英語科のミーティングは英語で行われるが、たまには学校から出て、研修センターで思い切りミーティングをやろうじゃないかということになった。by 本間勇人:私立学校研究家

(工学院大学の研修施設で、英語科ミーティングは行われた)

工学院 教師はリスクテイカー(3)

加藤先生の授業に続き、田中先生の高2の英語の授業を取材。そして、驚いた。やはり電子黒板、ノートパソコン、デジタル教科書、インターネットというICTを駆使しつつ、PBLでリベラルアーツまで行っていたからであり、加藤先生と同じある意味IB(国際バカロレア)スタイルの授業になっていたからだ。

IBスタイルの授業とは、グローバル教育、イノベーション教育、リベラルアーツがPBLという対話型授業を介して有機的に統合されている学びの環境をいう。

(授業開始前から、生徒と対話しながら行う授業の準備は、ICT環境の整備から。工学院の教師は、ラップトップやタブレットを持ち歩いて、クラス移動をする)

工学院 教師はリスクテイカー(2)

加藤先生は、高1の英語の授業を≪PIL≫の手法で展開した。≪PIL≫とは≪Peer Instruction Lecture≫の略で、発案者はハーバード大学のエリック・マズール教授。そのスタイルはバリエーションがいっぱいあるが、基本は、聞くだけの授業から生徒が互いの考え方をシェアし、脳を活用する機会を、講義の中に埋め込む授業にシフトすること。

加藤先生の≪PIL≫は、iPadのアプリを活用した新しい手法。マズール教授は1990年代に、クリッカーという装置をパソコンと連動して実施したが、その後パソコンの進化は目覚ましく、クリッカーに替わるアプリがどんどん登場している。加藤先生は、クリッカーではなく、キャノンスキャンという写真をすぐにPDFに自動変換するアプリを活用した。

工学院 教師はリスクテイカー(1)

来春中1からハイブリッドインタークラスを実施する工学院大学附属中学校・高等学校。その準備は着々と進んでいる。グローバル教育、イノベーション教育、リベラルアーツを有機的にリンクさせたカリキュラムイノベーションを行っている真っ只中である。

英語科の加藤先生も中心的な推進者の1人で、デジタル教科書と電子黒板を使いながらPBL(プロジェクト型学習)を行うときはマイクロソフトのノートパソコンを使い、デジタル教科書を使いながらPIL(ピアインストラクション講義)を行うときは、iPadを駆使し、来春からのハイブリッドインタークラス開設や2018年に挑戦する国際バカロレアのディプロマの準備を進めている。by 本間勇人:私立学校研究家

(中3の分割授業は、PBLスタイルで行われた)

工学院「科学教室」 IB学習者像の創出(3)

IBの10の学習者像育成の土台が、工学院にはすでにあることは了解できた。ただし、IBでは、行事や部活で、その学びを行うのではなく、授業そのものでトレーニングできるようになっている。

一般に日本の教育は、授業は知識を教える講義形式で、工学院のように科学教室のようなチャンスがないところでは、部活に依存するから、その部員でないない場合、10の学習者像を身につける場がない。

工学院の場合は、このようなチャンスは科学教室としてあるが、IBレベルの教育に挑戦するとなると、授業そのものに、すでにある土台を埋め込まなければならない。果たしてそれはどうなっているのだろうか。

もちろん、授業の中に、対話型、討論型の授業=PIL×PBLを埋め込むということが、プレスリリースで高らかに謳われている。しかし実際にはどうなのだろうか?言うまでもなく試行錯誤はスタートしている。

(POP作りや創作のアート活動、図書館運営の活動、読み聞かせのボランティア活動に挑戦している図書館委員。IBのCASのプログラムをすでに実践している)

工学院「科学教室」 IB学習者像の創出(2)

工学院の中学生が、好奇心のゲートをくぐり抜け、世界を探求する道を歩き始めているのを了解できた。今度は高校生の活動を見に行った。するとIBの10の学習者像すべてが融合しているのがわかった。

(グローバルイシューの大きな問題である環境問題に取り組む未来のエンジニア)

工学院「科学教室」 IB学習者像の創出(1)

今年も工学院大学附属中学校・高等学校が、大学と連携して「科学教室」を開催した。10000人規模が参加する日本でも有数の大サイエンス祭り。今年7月23日(水)、工学院大学新宿キャンパスで、同大学附属中学校・高等学校は、プレスリリースを実施。

テーマは「工学院大学附属中学校が21世紀型一貫教育をスタート 日本初のハイブリッドインタークラスを開設~大学で 企業で 世界でスカウトされるグローバル人材を育てる」。いよいよIB級の教育デザインに大きく歩を進める意志が表明された。そこでIB(国際バカロレア)のlearner profile(10の学習者像)が端的に映し出される「科学教室」に接近した。by 本間勇人:私立学校研究家

(工学院のリケジョ)

工学院 日本初HBインタークラス開設(3)

工学院は、日本初の大胆なカリキュラムイノベーションを歩み始めたわけだが、そのためには学内の教師が一丸になることが極めて重要である。一丸になるには、教師どうしの信頼関係をベースにした相互に学ぶ組織を持続することである。そのため、平方校長は「研修」を中心とした「学びの組織」を構築しているという。

工学院 日本初HBインタークラス開設(2)

工学院は、2015年に入学する中1生から、3つの新しいコースを開設する。「ハイブリッドインタークラス」「ハイブリッド特進クラス」「ハイブリッド特進理数クラス」。それぞれ募集人数は、35名ずつ。彼らが卒業するときには、東京オリンピックのつぎの年で、日本は相当グローバルな社会になっているはずである。

そのときに、グローバル人材として活躍するには、CEFR基準でC1英語力、ICTによるデータサイエンス力、IBレベルの高次思考力(IB型思考力)である。どのクラスもこの3つの力は工学院の教育の基礎とするが、その学びの方法に違いがある。

工学院 日本初HBインタークラス開設(1)

7月23日(水)、工学院大学新宿キャンパスで、同大学附属中学校・高等学校は、プレスリリースを実施。テーマは「工学院大学附属中学校が21世紀型一貫教育をスタート 日本初のハイブリッドインタークラスを開設~大学で 企業で 世界でスカウトされるグローバル人材を育てる」。

2018年から2030年までに、日本は、世界の人々といっしょに生活する多様性に満ちた社会や学校に移行している。工学院はいちはやくその新しい世界に備え、そこでリーダーシップを発揮できる人材を育成する教育を整備する。by 本間勇人:私立学校研究家

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