八雲学園 新しいステージ“Inquiring Minds”(2)

感性教育を完成するために

菅原先生:姉妹校ケイトスクールと交流するようになって、相互に教育の補完をしている、リスペクトし合っているというのは実感します。八雲学園では理科教育において、夏休みの自由研究がありますが、これは自分が興味関心を持ったことを調べて、仮説の検証をして、まとめて発表します。

理科教育のみならず、文化祭や英語祭をご覧になっていただいて、おわかりのことと思いますが、各教室四方の壁は、調べた成果が模造紙で表現されて、びっしり貼りめぐらされます。

調べると言っても、文献を探索するだけではなく、フィールドワークもします。そういう意味では、“Inquiring Mind”は、育っていると自信を持っています。ケイトスクールで、生徒が学んでくるのは、サークルになってよく話し合うという姿勢ですね。

生徒会でも各行事の委員会でも、そしてグリープロジェクトのメンバーもとにかく議論をします。

榑松先生:たしかにそうです。やはり、機は熟しているのだと思いますね。だから、リサーチして、議論して、編集して、プレゼンをするというディスカッション型の学びのサイクルをはじめからトレーニングする必要はない。

ケイトスクールの生徒とディスカッションするプロジェクトを、さあやろうと思えばできると思う。

できるのなら、何もケイトスクールとやりとりすることにこだわらなくてもよいと思うかもしれない。しかし、写真を見てもらえば、おわかりのように、多国籍の生徒が集まっているのが、ケイトです。これがインターナショナルとグローバルの違いを明快に理解する機会になります。

ウッド先生とも話しましたが、インターナショナルはエクスチェンジで、グローバルはシェアという違いがあります。ケイトスクールの教育は、このシェアです。

ケイトスクールンの授業は、ディスカッションがベースです。“Inquiring Mind”はリサーチ力のことを示していますが、実は「問いを立ちあげる精神」ということも含まれています。ですから、ディスカッション授業の原点は、この「問いを立ちあげる精神」ですね。これがあるから、ディスカッションが深まるわけです。

好奇心や興味関心を掘り下げるモチベーションにもなるということです。

しかし、またこれはケイトスクールの生徒が言うわけですが、どこまでも激しく考え方が異なり、必ずしも合意形成に至らない場合もある。

それでも、お互いの考えには、寛容だし、リスペクトする姿勢があると。これこそがシェアの感覚だと思います。

八雲の生徒は、ほぼみんな日本人だし、考え方も似ている。合意形成もしやすい環境にある。これは多国籍の生徒が集まっているわけではないから、当然で、そうでないと困ります。

そうすると、スキルよりもこのグローバルなディスカッションのできるケイトスクールに学ぶことは、十分に意味があります。ケイトも日本人の留学生は少ないですから、同様のことを感じてくれるはずです。

すでにウッド先生とは、意気投合していますから。彼は、日本人以上に日本人のことを理解していますからなおさらです。

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