順天のSGH(スーパーグローバルハイスクール)クラスである≪GLAP(グローバルリーダーズ・アクションプロジェクト≫の活動はどんどん進化している。
同校は、SGHの研究課題として、ネットワーク、スクールワーク、フィールドワークという3つの活動(ワーク)を通して、グローバル社会で主体的に活躍する資質・人材育成を目標にしている。
今回、DEAR(開発教育協会)と協働して行っいるワークショップを取材。3つのワークが見事に反映していた。by 本間勇人:私立学校研究家
順天のSGHでは、ネットワークによる共同的な探究活動の一環として、DEAR(開発教育協会)のワークショップと絆を形成している。3つのワークのうちのもう1つはスクールワーク。これはワークショップよる統合的な探求学習のことを意味し、それゆえDEARとの協働は重要なのである。
DEARは、世界でおこっている貧困・飢餓、紛争・戦争、環境破壊、人権侵害といった問題が、 私たち自身のライフスタイルとも深く関係しているという認識を共有するため参加型学習であるワークショップの活動を、幼き子どもから大学生や大人まで、幅広く行っている。
そしてさらに、これらの問題を理解し、望ましい開発のあり方を考え、共に生きることのできる公正な地球社会づくりに参加することをねらいとしている。今回順天とのワークショップも、≪GLAP≫の生徒が海外との生徒と協働し、フィリピンで教育的支援活動をいかに行っていくかの大きな跳躍台づくりになっていた。
DEARからは2人のスタッフが訪れた。スーパーバイザーはDEARの事務局次長の西あいさん。ワークショップを始める前に、①みなさんが主役です。②積極的に参加しよう。③否定しないで、「私は・・・」という表現をする。④立派なことを言わなくてもOK。というこの活動に臨むシンプルなルールが確認された。
このルールは、国や企業の立場ではなく、地球社会のメンバーとしてのグローバル人材の同校のめざす心構えと共振するものだと思う。
さっそく、“ビンゴ☆『私の食卓』”が始まった。
4つのルールを活用し、オープンマインドの状況が生まれているのに、生徒はすぐに気づいたのだろう。ワイワイガヤガヤ活発になった。同時に、9つの質問を互いにすることによって、データを集める作業は、フィールドワークの基礎であるインタビューの疑似体験でもあると気づいたのではないだろうか。
西さんは、ワークシートに書き込まれたことについて、何人かの生徒にたずねた。対話によって集めた「私の食卓」そして「私たち日本人の食卓」のデータを振り返ることで、これから始まる食卓を通して見る世界の多様性について、自分事としてとらえる構えの準備をつくっていった。