9月29日(火)、富士見丘は建学の精神「忠恕」という寛容性・思いやりの精神・おもてなしの精神などを全校生徒で振り返るちょうどその日に、東京オリンピック・パラリンピック担当の遠藤大臣がやってきました。東京オリパラは、すべての人々が、どのような状況下に置かれていても、互いにサポートし合いスポーツの精神を楽しみ、世界の人々のために貢献する世界で最大規模のイベント。大臣は、富士見丘の生徒達とこの一生に遭遇できるかどうかの歴史的なイベントにおいて、世界の人々をいっしょにおもてなしし、世界に貢献する自分に挑戦してみようというメッセージを共有しに訪れました。by 本間勇人 私立学校研究家
(ウェルカムパフォーマンスで歓迎した少林寺拳法部の生徒と記念撮影)
遠藤大臣は、富士見丘の生徒に、オリンピックの力はとてつもないが、それは専門家だけでは十分に発揮できない。10万人のボランティア、100万人のアンバサダー、1000万人のスポーツドナーの大きな渦が必要で、ぜひ皆さんもなんらかの形で東京オリパラをサポートして欲しい、いっしょに盛り上げましょうと語りました。
SGH指定校としての富士見丘は自然と社会と精神が好循環する持続可能な社会をいかにつくっていくのかがメインテーマの学校です。したがって、遠藤大臣のスピーチの中で説明された具体的なオリンピックの力にすぐに共鳴しました。
そのオリンピックの力とは、たとえば、観光などの経済効果の指数関数的な勢い、安心安全のセキュリティシステムの格段の進化が挙げられました。しかし、大切なことは、思想・信条・宗教を超えて世界が一つになる大きなきっかけを作ることであるし、それゆえ、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の区別なく公平に利用することができる空間や製品、情報のデザインができる日本のクリエイティブな技術をいっしょに生み出していきましょうというメッセージが語られました。
富士見丘の生徒も、「今からでも東京オリパラに関連することで貢献できることはありますか」「エンブレムなど白紙撤回になりましたが、今後の公募において審査員の選定など新しい取り組みはどうなっているのですか」「すでに障害をお持ちの方のスポーツの支援をするボランティアに参加していますが、その重要性につてメディアなどがまだまだ取り上げていませんが、今後もっとその重要性を広報して頂けますか」など素敵な質問が連発。
遠藤大臣は、まずは英語をはじめ、フランス語や中国語など身につけて、今既に国際的なスポーツが行われているから、そのボランティアに参加するところからはじめるのもよいし、アルバイトして寄付してくれてもいいですよ(会場はドッと笑いが)と応えました。
また、エンブレムに関しては、前回は、専門家という閉じられた世界で行ったのを反省し、多様な領域から審査員を選び、専門界以外もデザイン案を提案できるようにしているから、ぜひ君も提案してくださいと謙虚な回答姿勢に、生徒もがんばりますと。
そして、オリンピックとパラリンピックは一緒なのです、そのことをもっと多くの方に理解してもらえるように尽力しますから、引き続き君もボランティアがんばってくださいとエールを贈られました。
相手が大臣でも動じない対話力をもった富士見丘生。そして中高生ともフラットに柔らかく対話する遠藤大臣。18歳選挙権が開かれたタイミングで、開かれた政治を大臣自ら生徒と共有した会となりました。