富士見丘学園は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)のプログラムを実施して、4年目を迎える。この間に、多くの輝かしい実績を積み上げてきたし、模擬国連部の活躍に代表されるようなSGH以外のグローバルな教育活動も広がった。
そしてまた、今年も新高1のSGHプログラムが、心優しくもパワフルに始まった。by 本間勇人 私立学校研究家
(昨年、釜石フィールドワークを通して「環境とライフスタイル」を探究した新高2生の新高1生に向けたガイダンスシーン。ユーモアもあり探求へのモチベーションを共有。)
SGHプログラムは、高1では「サスティナビリティ基礎」という授業と「釜石フィールドワーク」を通して、持続可能な社会を創造するにはいかにしたら可能かを探究していく。高2になると、フィールドワークがシンガポール、マレーシア、台湾とグローバルな拠点に拡張する。慶応大学や上智大学などの高大連携プログラムも展開する。
したがって、高1時代に、調べるスキル、コミュニケーションスキル、論文編集スキル、インタビュースキル、プレゼンスキル、クリティカルシンキングなどアカデミックな探究の基礎を学ぶ必要がある。
(昨年の慶應義塾大学SFCの大川研究室との高大連携プログラム。スカイプで海外の高校生と協働企画について議論しているシーン。)
そのスキルを釜石フィールドワークを通して鍛えながら、その探究のまとめのレポートやプレゼンテーションが成果物となる。新高2生は、自分たちが学んできた内容やそこに到るまでのさまざまな苦労や気づきについて語り、SGHとは何かガイダンスを行った。
新高1生は、内進生と高校から入学してくる生徒が共存しているから、4月スタートしたばかりでのガイダンスは、どちらの生徒にとっても新しい探究活動を共に行っていくというというのはアイデンティティ形成にとっても大事な行事。
したがって、このようなガイダンスの集まりを仲間にエールをおくり、プライドと自信を共有する機会とするのも忘れないのが高1の学年主任の遠藤先生。スポーツや芸術活動で活躍している生徒の自己紹介の場を集会に瞬間的に織り込んだ。
自己紹介を終えて席についた生徒が周りの生徒とハイタッチしている雰囲気は、富士見丘学園が大切にしている心である「忠恕」という互いに尊重し、受け入れ、高め合う精神が浸透している証しでもあった。
こうして、また富士見丘のSGHの新たなステージは始まった。新高1生は、10月の釜石フィールドに向けて、サスティナビリティ基礎という授業で、知の準備を行っていく。
(昨年の高2のシンガポールフィールドワークを通してまとめあげた探究のプレゼンシーン。)
1年後、この新高1生が、様々な賞を受賞し、大学の教授陣が息をのむプレゼンを行うように成長しているだろう。このように、先輩が自分の経験値を後輩に伝えていく心優しい絆は、同時に毎年パワフルなグローバルな知を生んでいく。
それは富士見丘の教育自体を大きく変容させる力にもなろう。