香里ヌヴェール学院 教員研修「主体的・対話的で深い学び」をシェア

今春から、共学化、校名変更、21世紀型教育改革を実行に移した香里ヌヴェール学院。国際バカロレア(IB)及びIBの私立学校バージョンのラウンド・スクエア同様、教師も生徒も共に探究者である。定期的に教員が一丸となって研修を行っている。

PBL(プロジェクト型学習)という探究型授業を基礎に教育活動や授業が展開している。多様な学習スタイル、思考のスキルももちろん大切であるが、それは問いの世界にどれほどかかわるかその重要性が大切である。by 本間勇人 私立学校研究家

2020年大学入試問題の先駆け的な問いともいわれている京都大学特色入試や東京大学推薦入試の問題も、たんなる受験選抜のための問題を超えて世界の問題性に届く問いが投げかけれている。しかも学際的で教科越境型でもある。

したがって、香里ヌヴェール学院が今春の中学入試からはじめた「思考力入試」に象徴されるように、深い学びを生み出す問いをつくる研鑽は、生徒の知性、感性、身心の成長にとって欠かせないし、同時にそのような人間の存在にかかわる問いを投げかけてくる大学入試にも有効である。

今回の研修では、入学の時の出会いから卒業して、社会に出て自己実現の道を歩いていくときに、いつでも遭遇する重要な問題をいかに創造的に解決していくか探究が進んだ。

その重要な問題とは、人間はつねに互いに未知であるということである。この未知なる存在が、互いに受け入れ、尊重し合えるようになるのはいかにして可能か?<Stranger>と<Community>と<Empathy>をめぐる問いを議論し、シェアしていく研修となったのである。

中1チーム、中2・3チーム、高1チーム、高2チームと別れ、それぞれが同じテーマを、学年に応じてどのような問いを投げかけていくか?しかも、どのチームも、

1)知識・理解

2)ロジカルシンキング

3)クリティカル&クリエイティブシンキング

の3つの思考の次元すべてで問いを設定するという手法だった。

そのため、個々の学年チームが、問いをプレゼンし終わるや否や、そこに中高6ヵ年の生徒の成長、カリキュラムの成長が一望できるパノラマになったのである。個々の先生が培ってきた探究の手法を互いにシェアすることによって、香里ヌヴェール学院の教育全体が有機体としてそのイメージを見える化することができた瞬間だったのかもしれない。

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