Created on 11月 6, 2024
2024年11月4日、文化学園大学杉並で、「問いの問い生成ワークショップ」を開催しました。主催は本機構の22世紀型教育研究センターです。所長の田中歩先生(工学院大学附属教頭:英語)、上席研究員の新井先生(和洋九段女子教頭:国語)、染谷先生(文化学園大学杉並理事長補佐:理科)、本機構経営企画室室長伊東先生(一般財団法人日本私学教育研究所主事:数学)がプログラムを共同開発しました。
そして3校の生徒10人が協働して、社会課題の問いを解決する解答を創るだけではなく、そもそも社会課題の問いが生まれてくるのは、自分の中の意識や感情や気づきや興味などが世界の多様な痛みがどのように結びついているからなのかを自問自答し仲間と対話して問いの問いを生成していくプログラムにチャレンジしました。
田中先生のチェックインによって対話の安心安全をつくってから、「料理は人間を進化させてきたか?」というCross Questionsを個人ブレストしたとき、自分は何を意識して考えていったかというアイスブレイクを伊東先生がファシリテートしました。
次に田中先生が、IBL型の対話をしていきました。互いの考えを共有しながら、自分の感情がどんな世界に接地していたのか対話しました。問いへのアプローチのきっかけや展開についてお互いの違いや共通点を比較して自己に気づき新たな問いが自分の中に生まれていました。また、そもそも気づきとか変化とはどういうことなのか問い直したりしていました。ここでは様々な世界に自分を位置づけるWorld Questionsが展開していきました。
そして、染谷先生は、料理と進化の結びつきのイメージが広がったところで、身近な料理の問題が釈迦課題とどう結びついているのか想いを馳せ、新たな問いを生成するワークショップに移行しました。そもそも社会課題とはどんなことなのか、ポストイットで出し合い、それをチームで統合し、そこから見えてくる料理と社会課題を結びつけた問いの生成です。ここでは、そのような身近なことが緊迫した実際の問題に結びつくReality Questionsが展開していきました。
田中先生のワークショップまでは、椅子だけで自在にサークルを変化させながらオープンマインドをつくって対話していきました。染谷先生からは、チームごとに机を囲んで、ロジカルな思考を展開していき、ギャラリーウオークをしながら共有していきました。
「料理は人間を進化させたのか?」という問いは、実は多様な問いが各セッションで分子のブラウン運動のように拡散しながら、収束もしていきました。
生徒たちは、問いの問いという不思議なテーマを自分なりに想い描いていました。そしてチェックアウトでは、新井先生によるマインドフルネスワークショップを通して、いったんは収束した考えを解きほぐし、さらなる自分と世界への問いを開く状況をつくっていきました。
それにしても、個人ブレストの段階から、料理のあり方や価値、進化の多様な意味を考察するなど、高い意識と根拠や例証、反駁などしっかりとした論理構成に感動しました。参加した先生方も、「生徒中心主義」の学びの環境を作っていることに改めて自信を抱いていました。高い志と高次思考、そして豊かな共感力をもって学年も学校も超えて対話できるフラットでフリーでフラタニティな雰囲気を生み出せることに本当に感動している様子でした。
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