2013年7月7日、国分寺の東京経済大学で、「東京西地区私立中学校・高等学校進学相談会」が開催された。私立中高83校が参加。そのうち6校は21会校。各校の独自のビジョンとグローバル時代を共に生きる教育をという21会ビジョンを重ね合わせて、生徒募集活動を展開した。開会直前、各私立学校の先生方は廊下でスタンバイ。挨拶が頻繁に交わされ、活気にあふれていた。猛暑にもかかわらず、開会10時少し前から保護者や受験生も行列をつくりはじめ、11時前には廊下は参加者で埋まった。今回の進学相談会で21会6校の受験生・保護者との対話の様子を追った。(by 本間勇人:私立学校研究家/リサーチ協力 谷内南帆 一橋大学3年)
私立学校一丸となって、私学の独自の建学の精神を広めよう
開会直前、後援の一般財団法人 東京私立中学高等学校協会の会長近藤彰郎先生(八雲学園理事長校長)から応援の挨拶があった。
西地区の相談会ができてもう10年が経つ。去年を除いて毎年来ているが、これが開催されることを喜ばしく思う。私立学校というのはそれぞれが建学の精神を持ち、草の根で支えている。
最近政権交代があって、知事も変わった。これには私学にとっていい面もあるだろう。猪瀬知事は、石原さんの方針を基本的に継承している。それに、170校の公立学校を、私立学校のように活性化させるには、民営化的な側面からも検討する視野も持っている。情緒的ではなく、論理的な思考をもった知事であるから、予算面に関しても、私立学校が一丸となって道理と効率面で訴えていけば、ともに歩いていける。
また、高校は無償化が進んでいるのに、義務教育の中学にそのような提案がないのは道理に適っていない。これについても、今後いろんな場面で、訴えていくつもりである。ここの場に来ている先生方も、会議やいろいろな機会があるたびに、ともに啓蒙していこうではないか。
参院選も近づいている。選挙で誰が選ばれるかは、私立の今後とも関わるから非常に大事な局面でもある。私学関係者の中にも候補者がいる。しかし情緒的にではなく、公立学校にはない私立学校の独自の建学の精神を保守する意志があるかどうか見極めて判断していこう。私学側にとって応援して欲しくない人もいるかもしれない。普遍的な私学の論理を基準に決断していこうではないか。
グローバル時代の影の部分である優勝劣敗・目先の利益主義に右顧左眄することなく、共に生きるグローバル時代を創る光の部分を、私学の独自の建学の精神を保守し、さらに啓蒙していくことで拡大していくことを高らかに謳われた。