21会校情報

佼成学園女子 人と交わり人に学ぶ(2)

■引き続き、英語教育についてお伺いします。私と世界の交わりということがパンフレットに書かれていますね。このあたりのことについて詳しく聞かせていただけますか。

 約60年前の創立の精神が「国際社会の平和に貢献できる人材の育成」でした。60年前と言えば、東西冷戦構造で世界が緊張していた時代です。この時代の国際社会は何よりも平和を希求していました。そういう国際社会に貢献できる人材育成が、佼成学園女子の英語教育の根底にあるわけです。ですから、佼成学園女子では、英語は、人と人とがつながるためのツールであるという共通認識があります。

■なるほど。世界の人と協力する精神というのは、さきほど触れておられた「全員が参加する」姿勢(「佼成学園女子 人と交わり人に学ぶ1」を参照)とどこか通じていますね。

佼成学園女子 人と交わり人に学ぶ(1)

佼成学園女子中学高等学校(以降佼成学園女子)は、「英語の佼成」と言われるほどに英語教育に力を入れている。今年は中学3年生における中期留学という新しいコンセプトを打ち出し、注目を集めている。しかし、佼成学園女子の21世紀型教育を支えているのは、英語だけではない。今回のインタビューでは、佼成学園女子が打ち出している3つの柱がいかに連関しているかということについて、江川昭夫教頭先生からお話を伺った。(鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)

■「人と交わり人に学ぶ」という校訓の下、三つの柱、すなわち、「私×心」の情操教育、「私×世界」の英語教育、「私×未来」の進路指導、が打ち出されていますね。まずは佼成女子で重視している行事と情操教育についてお尋ねしたいのですが。

進化する戸板中学校 戸板女子高等学校(3)

■ Can Do リスト風に

戸板の社会科の考える授業を、科全員でシェアするということ自体、実は他校ではなかなかないことである。今回の戸板の社会科の会議に立ち会って、開放的な対話が、いかに多角的な視点を共有でき、複眼思考ができるのか、実感できた。

進化する戸板中学校 戸板女子高等学校(2)

■ストックの棚卸

知識の量を調整して、思考の時間も挿入するという授業計画から、知識を学ぶことが同時に思考力も育成する授業のプログラムへというミッションをいかに具体化するか。このミッションはどこからか、新しく降ってきたのではなく、もともと戸板の社会科の暗黙知としてあったものである。それを社会科内で言語化したわけである。

したがって、自分たちが普段行っている授業の資源を汲みだして、言い換えれば、ストックされていたものを棚卸して、整理することになった。これは整理作業なので、会議の効率を上げるために、2人ずつ話し合うピアインストラクションのステージに進んだ。

進化する戸板中学校 戸板女子高等学校(1)

平成26年度から戸板中学校戸板女子高等学校(以降戸板)は、大きく進化する。その準備を今年開始したと聞き及んだ。そこで、入試広報部部長の今井誠先生に、どのように進化するのか、そのための準備とはどういうことを行っているのか尋ねた。すると、ちょうど社会科の会議で、その戦略を話し合っているので、立ち会ってはどうかと取材の提案を受けた。その自信とやる気に満ちた笑顔に、二つ返事で会議を見学させていただくことにした。会議の模様をお伝えしたい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

※左から今井誠先生(入試広報部部長)、市川恵也先生(生徒指導部部長)、原田啓志先生(進路・学習指導部)、豊田良知先生(教務部部長)

富士見丘学園 学ぶコトは考えるコト(3)

■自己認識の構造

大島教頭のねらいは、中1から私とは何者であるかの回答を探すことではない。それはこれからいろいろな「体験」をし、「海外研修」で多様性を実感し、「自主研究5×2」を通して、見つけていくこと、いやサタデープログラム 『5×2セレクション~知の探求2013~』で、卒業生のプレゼンに耳を傾むけていて思ったのだが、自分の核はすでにあるというところから出発していた。

 

富士見丘学園 学ぶコトは考えるコト(2)

■ダブルクエスチョン

3つの対話は、単純にマズールに比べ、量が多いからパワフルだというわけではない。3つの角度から対話することができるから、複眼思考をせざるを得ないという意味でパワフルなのである。しかし、本当は問い自体がパワフルなのである。

たとえば、今回のテーマは「わたしは誰?」なのであるが、これはもちろん言うまでもなく難問であるが、内容の難しさと、そもそも「わたしは誰?」というの問いはどういう諸関係をそこに立ち上がらせるのかというもう一つ問いが隠されている。いわば、ダブルクエスチョンなのである。

 

富士見丘学園 学ぶコトは考えるコト(1)

富士見丘中学校高等学校(以降富士見丘学園)では、大胆かつ多様な学びのプログラムを実施している。そのうち「中学生のための哲学教室」と「自主探究5×2」という探究学習のプログラムは、それぞれ21会校が共通してイメージしているPIL型授業(Peer Instruction Lecture)、PBL型学び(Project Based Learning)のカテゴリーに入るのだが、同時に、そのカテゴリーをはみ出すほどパワフルである。

今回は「中学生のための哲学教室」を紹介したい。同学園の教頭大島先生と桜丘の副校長品田先生によるコラボスタイルの授業でもある。(by 本間勇人:私立学校研究家)

※PIL(Peer Instruction Lecture)型講義は、講義に対話を導入するタイプ。PBL(Project based Learning)の学びは、課題発見から問題解決までコラボレーションしながら探求するタイプ。

 

 

工学院の図書館 新しい学びの拠点 (2)

■企画をするということは、事前準備、本番、振り返りという流れがあるのでしょうね。

有山先生:はい。それはもう用意周到です。図書委員は、さまざまな活動をしていますが、その中でも、社会起業家的活動として、幼稚園や保育園を訪問して、子どもたちに「絵本の読み聞かせ」を行っています。これは、圧巻です。

どの絵本を選択するのか、テーマを探すところから始まります。子どもたちに心から楽しい時間を過ごしてもらえるように、ストーリー――そうそう絵本によってはアドリブもいれるので――を考えます。そしてリハーサル。わかりやすい表現か、声の調子は臨場感があるか、仲間―葛藤―和解の「物語構造」のセオリーはきちんと成立しているかなど、演戯しながら軌道修正していきます。

英語科の司書教諭鈴木先生も、図書委員たちといっしょになって、参加してくれます。その瞬間は、教師と生徒の関係は、人間対人間の絆にシフトしています(微笑み)。

 

 

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