共立女子 「問題発見・解決型」授業


生徒たちがノートに自分の考えを刻み、島田先生に提示するアウトプットの時間は、もっとも知的交換に興奮する瞬間である。生徒の学びの意識の拡散と収束、収束と拡散を工学的にデザインするのが環境工学の授業であることがはっきりと了解できる時でもある。

一般に生徒は授業の後半、疲れてくるものだ。ところが島田先生の環境工学の授業リズムは序破急なのである。静かなブレインストーミングのあと、タイミングよく第2の問いが投げられる。その瞬間生徒の内発的モチベーションはトルネードとなって燃えあがる。

工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)では、高1の総合学習で、「環境工学」の授業を行っている。同校はISO14001という環境マネジメントシステムを生徒とともに活動して認証取得している。この認証取得には、エコに対する思考や活動に、道徳感情のみならず、技術をベースに社会的責任に参加するという工学発想を徹底させる必要がある。
この工学発想、いわば思考を工学する基礎が、「環境工学」という授業で育成されている。今回、担当の島田浩行先生(高等学校教頭・環境管理推進委員・環境管理事務局員)の授業を見学させていただいた。「環境工学」が同校が標榜している21世紀型教育そのものであることを紹介したい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

ペンタゴンモデルは、しかし一巡して閉じてしまうわけではないという魅力的な議論に発展していった。しかも、そのループへの階梯の上昇は、はじめから生徒自らでできるわけでもない、やはり細かいトリガークエスチョンをなげかける教師の役割がカギになるという議論にもなった。

スーパーサイエンスコースのねらいは、佐藤充恵先生によると「未来の研究者を育てることです。日本ではまだまだ女性の社会進出、とくに科学者の進路をたどる比率は少ないですから、それではグローバル教育とはいえないですよ。その点戸板は女子校ですから、女性の研究者の礎を築くことができると思います」。
佐藤先生ご自身、産休中であるにもかかわらず、息子さんを連れて、会議に臨んでいた。佐藤先生の心意気に頭が下がると同時に、女性にとって心地よい職場を形成している戸板の経営の先進性に、女子教育の真骨頂を感じ入った。

戸板中学校戸板女子高等学校(以降戸板)は、2014年に、高校でスーパーサイエンスコースを開設する。そのために理科の先生方は、コンセプトデザイン、科学的発想を生み出す授業デザイン、実験とICTを結合した新しい理科のシラバスの開発など議論している。さらに、ロールモデルもつくり、試行錯誤の準備に余念がない。その画期的理科教育のイノベーションの一端をご紹介しよう。(by 本間勇人:私立学校研究家)

今春から21会校である聖学院は、学校説明会で思考力セミナーを行った。たいへん好評で、今年も説明会で実施していく。明日の芝中で行われる男子校フェアでも3回行われるが、すべて定員を満たしている。来週土曜日、同校で行われる説明会での第1回思考力セミナーも定員を超える勢い。受験生からの支持の勢いは増すばかりである。
この思考力が市場から支持されるのには理由がある。2018年から、21会が見据えている21世紀型教育が公立学校でも本格化するロードマップが描かれているからである。しかし、私立学校に期待がかかるのは、今回の教育政策では、うまくいかない大きな理由があるからでもある。それは新しい評価の考え方がまだ現場レベルで研究されていないということなのである。
それを今乗り越える準備をしているのが21会校である。したがって、今後21会校がモデルとなっていくのだが、思考力セミナーという先進的活動を行っている聖学院がまずそのリサーチに着手する。
それと同時並行的に聖学院の成果を21会校でシェアしていくことになるだろう。大いに期待したい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

閉会のメッセージは、総合司会平方邦行先生(工学院大学附属中学校・高等学校校長)から。平方先生は、一般財団法人東京私立中学高等学校協会の副会長でもある。政財界の人脈も広く、教育のみならず政治や経済にも20世紀型発想から21世紀型発想にパラダイムをシフトするように啓蒙活動をしている。
特に文科省に対しては、誠の道を説いている。ひとり工学院のためのみならず、私立学校そして日本の教育のために日本全国そして世界を奔走している。それができるのは工学院の先生方が日々校長を支えているからでもある。それから、生徒たちもそうだ。この間うかがった折、廊下ですれ違った中学生たちが、平方校長は教育のプロだよ、この間の話は感動したと話していたのを思い出した。日々の信頼が、社会の信頼を形成する。
今回のカンファレンスの会場も、富士見丘学園をお借りした。当たり前のように富士見丘学園の多くの先生方が前日から会場設営に汗を流し、当日は参加者をもてなしてくださった。そして会場の撤収作業もおこなってくださった。子どもたちの未来を思う教育者のこのボランティア貢献精神に支えられていることを私たちは絶対に忘れてはいけない。これは、政財官学の人々には、わからない奥行きの深い人間の条件なのである。労働と仕事と活動はそれぞれ違い、豊かに広がっている。
しかし、一般に働くことは労働という意味でしか日本人はとらえられなくなっている。アルザスのシャープのフランス人前社長が、働く意味の文化的な差異を互いに理解し、深めていくリベラルアーツの素養がないと、グローバル企業は成功しないよと語っていたのを思い出す。私立学校の先生は、このリベラルアーツを身に染み込ませているのである。man for othersを体現している先生方に心から感謝申し上げたい。(by 本間勇人:私立学校研究家)

第1回21会カンファレンスのファイナルスピーカーは、土浦日本大学中等教育学校の校長中川弘先生。自ら中1の「根っこをつくる未来授業」を実践されている。中1の時期にグローバル人材の根っことして「自信と誇り」を養うために、いわばself-awareness(SA)のプログラムを制作している。このSAこそ英語教育のリベラアーツ的な基準であるCEFRの要諦である。ポートフォリオという概念の重要性がここにあると欧州評議会では語られている。根っこの未来授業をメタファとして21会の信念を感じていただきたい。(by 本間勇人:私立学校研究家)
