工学院の図書館 新しい学びの拠点 (1)
2015年にPISA(OECD生徒の学習到達度調査)は、「協調学習」の調査をする予定である。従来通り、読解、数学、科学のリテラシーも調査するが、1人ひとりのリテラシー習得のための学び以外に対話や議論など「関わり」を通して学ぶ新しい方法が注目されている。グローバル人材の希求、ICTによるイノベーション教育の隆盛が、相互に協力し合う学びや共に生きる活動を必要とするからでもある。では、このような新しい学びの実情は、日本の教育ではどうなっているのであろうか。どうしても大学受験準備が授業の中心にならざるを得ないというのが、多くの現場の教師の本音であるともよくいわれる。しかし、2007年以降ほとんどの学校で司書教諭が置かれてからというもの、新しい学びの拠点として学校図書館が機能するようになった。その先進校である工学院大学附属中学校・高等学校(以降工学院)の図書館の司書教諭有山裕美子先生に聞いた。(by 本間勇人:私立学校研究科)