共立女子

共立女子 中学の国語の授業 メタシナリオ(1)

21世紀型教育、グローバル教育、ICT教育、リベラルアーツなどグローバル人材を育成する新しい教育がにわかに一斉に叫ばれるようになった。この時代の精神はもはや確かなものであろう。しかし、時代をつくる人々の営みは、時代の理念を多様に具現化し、20世紀を振り返れば明らかなように、常に悪貨は良貨を駆逐するような動きに転じるのも常である。

そこを再び転じるために、いわば21世紀型教育が立ち上がってききたはずであるが、目に見えるきらびやかな花だけをみていたのでは、花を生成する根源を見忘れてしまう。その証拠に21世紀型教育を開花させる種はどこにあるのかと問うても、すぐには回答できないのが世の現状である。

そこで、21世紀型教育のパラダイムを提唱する共立女子の先生方にそこを改めて問うた。by 本間勇人:私立学校研究家

共立女子は、すでに教科横断型のプロジェクト型学習(PBL)を、各教科の先生方と有志の生徒がコラボレーションして実践してきた。そしてその記録は、「研究報告」というドキュメンテーションにまとめあげられてきた。あるときは、そこに到る過程で、絵本を編集制作して出版したり、プレゼンテーションしたりしてきた。

この一連の過程こそ「21世紀型教育」であるが、この活動は「特別教養講座」として行われているばかりではなく、社会科の授業や理科の授業でも行われている。つまり、21世紀型教育は、たしかに授業で可能なのである。しかし、それはなぜであろうか。

共立女子 不易流行としての21世紀型教育

共立女子の入学式の型は、明治19年(1886)創立の精神を再生している。先覚者34人が発起人となり、女性に専門的知識と高度の技能を修得させ、女性の自主性と社会的自立を育成することを目的として創立されたのだが、19世紀末において、すでに理念形成それ自体がコラボレーションの型という出発点になっている。

時代の表層の変化ではなく、本質に基づきた不易流行としての21世紀型教育を共立女子の入学式にみた。

                                           by 本間勇人:私立学校研究家

共立女子 進化する「特別教養講座」(1)

共立女子では、テストもない、単位も関係ない、受験にも直接関係ない授業がある。2006年から、国語と社会と理科の教師3人及び生徒4人で始まった「特別教養講座」がそれである。

今ではコラボレーションする教師も倍以上になり、参加する生徒は20人を超える。テーマによってはもっと増える。共立女子は通常の「教科学習」と「特別教養講座」の間には、比類なき多様な行事や部活がある。

「教科学習」と「行事」の粋を集めたとも呼べる「特別教養講座」。この講座をスタート時からプロデュースしている池末和幸先生、金井圭太郎先生、桑子研先生に聞いた。(by 本間勇人:私立学校研究家)

左から池末和幸先生(社会)、桑子研先生(理科)、Iさん(高3)、金井圭太郎先生、渡辺眞人校長

共立女子 「問題発見・解決型」授業

「解なき社会」において直面する課題に、自ら取り組み独自の判断ができる女性の育成を目標とする共立女子中学のオープンキャンパスに伺い、三つの体験授業に参加させていただいた。「理科:ホバークラフトをつくろう」「社会:地理実験教室」「国語:短いが勝ち!作文競争」。これらの授業において共通していたのは、知識の伝達よりも「まずはその科目を楽しむこと、身近な現象に目を向けること」を重視している先生方の姿勢だ。生徒はもちろん、先生方も生き生きとしているのが印象的であった。(TES社特派員 松本実沙音 東京大学1年 )
 

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