共立女子 進化する「特別教養講座」(5)

特別教養講座の醍醐味

この特別教養講座の醍醐味は、やはり「越境」とか「超越」ということだろう。それを確信したとのは、桑子先生の発行しているサイエンスニュースレター。学内の多くの先生が寄稿し、教科横断的な内容が編集されている。

それに、桑子先生自身、ネット上で特別教養講座のような授業ができないかリサーチを開始している。常に問題意識や興味を持ち、おもしろいことや楽しいことを探しているから、このような特別教養講座を組み立てることができる。

池末先生もサイトを展開しているが、日常生活や大学入試問題という一見ミクロの問題に視野の広いマクロの意識をさりげなく展開している。ミクロとマクロの差が楽しい授業を、いや人生を生み出すテコになっているかのようだ。ここにも特別教養講座の奥義が隠されている。

 

渡辺校長は

「ドラッカーがこう言っていました。≪デカルトは『我思う。ゆえに我あり』と言った。今やわれわれは『我見る。ゆえに我あり』と言わなければならない≫と。私たちはこれほどの一つの大きな転換期を生きています。

池末先生、金井先生、桑子先生は、近代化のなかで斬新に生まれはしたけれど、今では表現の手段、期待の規準、処理の道具としてしか働くなったツールでないものを探しながら、外に出て生徒とともに学ぶ挑戦をしている。

教養講座のようなプログラムもいずれ道具になってしまうかもしれません。今先生方はそのリスクを感じながら、次にくるものを創出しようとしているのだと思います。」

特別教養講座の進化と広がりに期待が膨らむ。

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