佼成学園女子に入学したから今の私が有る
「成人を祝う会」に、学芸大学2年在学中の宮本真奈さんが参加していた。特進留学コースで学び、ニュージーランド留学も体験した。そして高3の時に英検1級に合格し、将来英語の教員を目指している。
教育実習も母校にお世話になる予定だという。英語の佼成学園女子の代表的なロールモデルであると、自身も江川教頭も思っており、卒業してもこうして佼成学園女子の仲間として活躍したいという。
宮本さん:今日は成人を祝う会ということもあって、特にアイデンティティについて思いを馳せています。佼成学園女子に入学したから、今の自分が有るとはっきり思います。入る前の自分は個人主義だったと思いますが、それが留学を通して、大きく変わった自分に驚いたし、それは、今の私のアイデンティティの大きなきっかけになったと思います。
もちろん、自分は今も変化しているし、これからどうなるかわからないですが、佼成学園女子時代に芽生えたアイデンティティをこれからも大切にしたいと思っています。
ニュージーランドに1年間、クラス全員が留学するわけですが、いくつかの学校にバラバラになります。それぞれホームステイしますから、日本にいたら自覚しなかった、1人の自分というものが鮮明に立ちあがってきます。そして、その自分が知らない国で、母国語でない外国語でコミュニケーションをとらなければならないので、個人主義的な自分では、何もできないことにすぐに気づかされます。
ホストファミリーとも学校のクラスメートとも、とにかく積極的に英語でかかわらないと、学校生活も日常生活もできません。また、佼成女子の何人かは、同じ留学先の学校で会いますから、悩みも交換できました。もちろん、日本語ではなく、英語を使うという約束で、とにかく自分の想いや考えを交換し続けました。そのときの自分はもう個人主義者ではなく、みんなでいっしょに協力することを大切にする人間になっていました。
江川先生:留学をしているときに、全員が一か所に集まって、情報を交換するというプログラムもあります。はじめ教師側は、日本語が話せない毎日だとストレスがたまるだろうから、思い切り日本語で話をする機会を作ってあげたいと思っていました。しかし、彼女たちは、みんな英語で話し合う方を選びました。あれほど主体的に、強い意志を抱いている佼成学園女子の生徒の姿に教師の方が圧倒されました。そして心の底から喜びました。今でもそのプログラムは同じように続いています。
宮本さん:たしかに頑固と言えるほど、強い意志を持てたように思えます。しかし、それは、佼成学園女子に入っていなかったら、江川先生に背中を押されなかったら、留学のチャンレンジもしなかったと思います。佼成学園女子は、先輩や先生方が、私たちのロールモデルで、私たちが後輩たちのロールモデルになるという「仲間」の意識が強いですね。
でも、それはただ絆が大事だよと言われるだけではなく、いっしょになって体験できるプログラムをシステムとして確立しているからだと思います。私は将来教員という自分を思い描いているからかもしれませんが、1人ひとりのコミュニケーションも大事だけれど、もう一方でその環境を持続するシステムを作っていかなければと思っています。
そのアイデアは、言うまでもなく佼成学園女子での経験が影響しています。英検1級も、「英検まつり」というみんなで学ぶシステムがあるので、受検するのは当たり前になっています。同時に英検1級は日常の生活で使う英語以上のレベルなので、徹底的にマンツーマンでトレーニングしていただきました。システムと先生方の熱い想いと専門的な技術がなければ、英検1級は受からなかったと思います。
江川先生:英検1級となると、単純にツールとしての英語の力だけでは難しいのです。一般に中高段階では、英検2級取れれば大満足だと思います。しかし、それはまだツールとしての英語のスキルレベルですね。たしかにハイレベルなのですが。政府や文科省が、将来、英検準1級レベルは、英語のセンター入試を満点とったと同等とみなす計画を立てているようですが、その見識は素晴らしいと思います。
宮本さん:医療関係や法律関係などの専門性の高い文章のリーディングが必要となりますから、憶える語彙量も半端ではないですね。だいいち、専門用語の意味を理解するのがまたたいへんです。それからエッセイを書かねばならないのですが、日本語と違って、論理的なフォームがあります。フォームと質の高い内容の両方が問われますから、佼成学園女子の英語の先生には本当にお世話になりました。
ものの見方や感じ方を、「留学」先で共有し、「英検まつり」でさらに高いレベルに挑戦していける佼成学園女子は、たしかに私のアイデンティティのコアを形成してくれたと思います。佼成学園女子といえば、私は「仲間」だと思っています。
江川先生:宮本さんをはじめ、多くの卒業生がその意識を持っていてくれている。だから今日、「成人を祝う会」にこんなに多くの卒業生が集まってくれたのだと思います。在学生、卒業生が同窓生として佼成の想いを共有していると改めて実感しました。まただからこそ、その共有する教育環境を私たちも毎年発展させていかねばと決意を新たにしました。宮本さん今日は本当にありがとうございました。
宮本さん:「成人を祝う会」をはじめ、在学中もこれからも、仲間を大切にする機会をつくってくださって、心から感謝しています。ありがとうございました。