佼成学園女子 留学×SGHのポテンシャル(2)

日本語

留学コースの公開授業の後に行われたのは、スーパーグローバルクラス高校1年生の授業。国語の﨑山先生と社会の田中先生が「国際文化」という新しい科目を共同で開発しているという。

生徒たちはそれぞれが課題となっている国際理解や異文化理解に関する書物を読み進めてきた。この日はその本の内容紹介に自分のコメントを加えてプレゼンテーションするというもの。クラス全員が発表を行った。

それぞれの生徒が選ぶ本は、基本的に異なっているので、読む本は1冊でも、このプレゼンテーションを聞いていることで10数冊の内容が一気に伝わるという仕掛け。たまたま生徒の選ぶ本が重なっていても、どこに重点を置いて説明するかは生徒によって異なるので、聞いている生徒にとっては、情報が重層的になる分、理解が深まることになる。その道の専門家が書いた本の内容がそのまま授業になっているという意味で、これほど効果的な授業はないだろう。

異文化や国際理解では、貧困や格差の問題は避けて通れないトピックである。そして、このトピックを語ろうとすると、どうしても感情に訴えるトーンになりがちであるが、「国際文化」の授業においては、冷静な分析視点が目立っていた。それは、どのプレゼンテーションでも、著者の略歴や本の構成についての説明が組み込まれていたことが大きく関係している。つまり、書籍が提示している問題をまずは全体的に捉えた上で、生徒自身の意見を述べるという構成になっているのだ。

発表を聞く生徒たちは、ワークシートに発表内容をまとめていく。そして、プレゼンテーションの仕方について評価を行う。

プレゼンテーションが終わると、質問や気づいたことを発表者にフィードバックしていくのだが、次から次へと手が挙がっていく。この雰囲気はどうして生まれるのか。実はそこにこそ﨑山先生と田中先生のファシリテーションの肝がある。

二人の先生は、進行と評価者役に徹していて、この場では、発表内容やフィードバックに対するコメントは一切しないのである。したがって生徒の方も気負いがない。気づいたことを率直に述べていく。

スーパーグローバルクラスでは、この日の「国際文化」の授業以外に、「特設英語」という実践的英語を身につける授業が用意されている。高校3年次に実施されるイギリス海外研修プログラム前にはTOEFL iBT60を全員が取得することを目指すという。 いよいよ佼成女子のグローバル教育が新しい展開を開始したわけだ。

スーパーグローバルクラスの終わりに、江川教頭先生から、もう一つ別のコースが授業をしているから見ていきますかと声をかけられ、教室にお邪魔した。

こちらは、メディカルコースの生徒たちが受けていた授業。放課後の講習なのではなく、通常の授業が夕方の5時半まで行われているのだという。

このクラスを指導するのは松村先生。江川教頭先生によれば、受験指導もアクティブラーニングもどちらのスタイルも見事に行う先生なのだそうだ。生徒を引き込む話術や板書の使い方などを見る限り、先ほどまでいたスーパーグローバルクラスのファシリテート型とはスタイルが異なるが、いわゆる「魅せる授業」が行われていた。

配布されたプリントは思考力を重視した問題が載っていて、それを生徒とともに考えるというスタイル。なるほど様々なタイプの先生がそれぞれのコースを指導している。

先生方のレベルの高さと層の厚さ。これが新しい佼成学園女子の教育を支える原動力だということなのだろう。

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