第5回 21会カンファレンス「教育セミナー」レポート

「21世紀型教育の"Soul"」大橋清貫先生(三田国際学園学園長)

大橋先生は、これからの社会の変化とそのインバクトが非常に広範なものになることを指摘した上で、21世紀型教育への流れは当然で、むしろ、同じ志を持つ21会校でも、21世紀型スキルのどこに重点を置くかということについてそれぞれの特色を打ち出していく段階に入っていることを強調されました。そして、三田国際ではそのようなスキルを「共創」などといった12のキーワードにまとめ、各授業で実践できるように教師全体が研修に取り組んでいるとお話されました。また、日本語の授業でも英語の授業でも、本物のアクティブラーニングがいかに生徒たちに活発な議論を誘発しているかということが動画で紹介されました。

 

「学校改革としての21世紀型教育」高橋博先生(聖パウロ学園理事長学園長)

高橋先生は、かつて世界に誇れるものだった日本の教育が最近ではあまり精彩がないことに触れ、その要因として、国の教育費負担が先進国の中で低い位置になっていることや、現在の受験制度の結果として学びが知識偏重になっていたことを指摘しました。朝から放課後までずっと発言せずに机の前に座っているだけでも、テストで点数を取れば良い成績を取れるなどということは諸外国ではあり得ない。21世紀型教育の根幹には、物を覚えさせることではなく、「人を育てる」という基本が据えられるべきであると強調されました。

 

「新テストそして2045年を見据えて」平方邦行先生(工学院校長)

平方先生は、子どもたちが大人になる頃に人間を脅かす存在になると予想されている人工知能の未来、AI革命の実現可能性に触れました。人間の存在そのものが問われるような時代を生きていく子どもたちにどのような教育が必要なのかといった問題提起をされました。世界ランキングにおける日本の大学の位置が取り沙汰されているが、先進国における教育の動きでは、ブルームのタキソノミーやヴィゴツキーの教育理論がベースにあることを指摘し、従来の学習指導要領の枠内で考えていては、世界のスタンダードに届かないこと、だからこそ私立学校に可能性があるということを強調されました。

 

「3つの改革に対応する新模擬テスト」山下一氏(首都圏模試センター取締役)

首都圏模試の山下氏は、偏差値だけでは子どもの力を測ることはできず、多様な指標が必要であると強調されました。すでに中学入試では、思考力テスト、PISA型入試や適性検査型、英語入試など、多様な選抜方式が数多く出てきており、首都圏模試でも偏差値とは別の指標を開発中であることを発表されました。かえつ有明と工学院、それに聖学院が公表している評価コードをベースにした思考コードを作られたということです。この思考コードを応用して、子どもたちの未知の可能性や才能を見つけることに役立てたいという思いを語りました。

 

「未来から出現する教育」渡辺眞人先生(共立女子前校長・21会顧問)

渡辺先生は、これからの子どもたちに必要な力とは、いかなる状況においても、自分の持っている力を置き換えて問題を解決していく力であると指摘しました。諸外国と協調しながら進んでいくことがますます求められる社会においては、歴史に学びながら情報リテラシーを磨き、様々なリスクに備えつつグランドデザインを描くリーダーが求められること、そしてそれを可能にする教育のヒントが21世紀型教育にあると力強く語られました。

 

 

 

 

 

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