2019年、21世紀型教育機構は第3次アップデートをします。2011年秋から21世紀型教育機構1.0(当時の名称は「21世紀型教育を創る会」、通称「21kai」は変わらず)の準備が始まり、2015年までに、思考力入試、PBL、C1英語、ICT、リベラルアーツの現代化=STEAM×哲学、思考コード(メタルーブリック)の創出、グローバル高大接続準備教育と21kai共通教育システムを各加盟校が足並み揃えて実施することができるようになりました。
そこで、2016年、名称を現在の「21世紀型教育機構」に改名し、その共通教育システムの品質保証を行うアクレディテーション機構として第二次アップデートをすることにしました。2016年は準備期間で、2017年及び2018年と2年間本格実施した結果、各加盟校の21世紀型教育の強み弱みがデータで発見することができるようになりました。
そして、このデータは、エンパワーメント評価の考え方が基本にあります。強みはもっと強くし、弱みは強みに転換すればよいという考え方です。このデータをもとに、各加盟校が21世紀型教育のGrowth Mindset研修を行ってきたのです。
同時に、加盟校の幾つかの学校の先生方がときどき集結して(いわゆるオフ会)、21世紀型教師の育成研修を創発する動きが生まれました。各校バラバラでしたが、「学びの創発会議」「授業リサーチ」「創発型スクライビングによるPBL研修」の3つのタイプが生まれました。
そこで、2019年から、、このような研修メソッドを、加盟校全体で共有する段になったという要請を受け、「21世紀型教育研究センター」を開設することになりました。
そのセンターのリーダーが、聖学院の21教育企画部長の児浦良裕先生と工学院の教務主任の田中歩先生であることが先月の本機構定例会で発表されました。お二人は、先述の21世紀型教育機構の研修のプロトタイプを、長年毎月試行錯誤して実践してきました。そして、幾つかの加盟校とも連携して構築してきたのです。その実績をぜひ分かち合っていこうということになったのです。
そして、もう一つの事業が計画されています。それはまだ公開できません。しばらくお待ちください。「プロジェクトX世紀」と称しておきます。21世紀型教育機構のもう一つのビジョンは「グローバル教育3.0」です。このビジョンを完成するためにも21世紀型教育機構3.0のアップデートは必要です。
しかしながら、ビジョンやシステムのアップデートの実行は、常に同時に次のアップデートも想定していなければ、自己変容や進化は停滞します。21世紀型教育機構3.0は今年離陸しますが、2021年に役割を終えて着陸します。したがって、そこから2025年問題を乗り越えて、再び離陸するために、グローバル教育4.0とそれを実現するための21世紀型教育機構4.0が組み込まれています。この飛行時間はかなり長くなる予定です。
その準備が、「プロジェクトX世紀」です。
「21世紀型教育センター」の成果の発表は秋を予定しています。5月及び6月は、「21世紀型教育センター」による加盟校の教師対象の非公開研究会を行います。公開21世紀型教育啓蒙セミナーもまだまだ行っていきますが、それには加盟校の21世紀型教育の質の向上も必要だからです。
現在の首都圏の私立学校の現状は、偏差値競争プラットフォーム以外に、21世紀型教育機構プラットフォーム、シリコンバレー系プラットフォーム、IB系プラットフォーム、通信高校系プラットフォームなど多様化が進んでいます。互いに切磋琢磨して、より質の高い私学教育が生まれるダイナミズムが生まれています。
教育の質、授業の質、テストの質、評価の質など質の時代がはっきりと到来したことを歓迎いたします。生徒1人ひとりの才能開花の環境がやってきたからです。ここに日本の、そして世界の希望があるからです。(2019年5月21日)