佼成学園女子 コラボレートする「心」を鍛える(1)

 佼成女子には、「行事が人をつくる」という標語がある。「行事」を通して「心を鍛える」こと、すなわち、「人を思いやる人間らしい心を育む」ことが教育の大きな柱になっているのである。乙女祭は、そういう佼成女子らしさがいかんなく発揮される大イベントである。今回は、特にグローバル教育とコラボレーションに関わる部分を取り上げる。(by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)

 

佼成女子のグローバル教育

  高校棟の2階に上がってすぐの国際交流部留学コース展示教室に入ってみた。ニュージーランド1年留学の様子が壁に美しく飾り付けされている。そして、テーブルには写真やレポートが置かれ、先生だけでなく、実際に留学に行ってきた在校生徒やその保護者が相談に乗ってくれるコーナーになっている。実際に行った人(行かせた人)の話だから、細部までありありと様子がわかる。

 今年からイギリスに場所が変わったという修学旅行も在校生が丁寧に説明をしてくれた。1週間の旅行のうち半分はイギリス人家庭でのホームステイだという。観光もかなり入っていて1週間とは思えないほど充実している。
 
 
 短期・中期・長期のそれぞれの海外留学プログラムを実施している佼成女子であるが、佼成女子のグローバル教育は、単に外国へ行くことを指しているわけではない。「国際社会の平和に貢献できる人材育成」がその眼目であり、人の喜びや悲しみが分かる「心」を鍛えることは、そのグローバル教育につながっているのである。
 
  何気なく美術部の展示を見ていたら、いくつかの作品に付箋が貼ってあり、作品がオリジナルではなく、カラーコピーであると示されていた。美術部顧問の戸延先生に話を聞くと、この夏スリランカの生徒と交流した際に、佼成女子の美術部の生徒の作品が贈呈されたため、オリジナルの絵はスリランカにあるのだという。
 
 

 佼成女子では、以前から「アフリカへ毛布をおくる運動」や、地域紛争などで苦しんでいる世界の子供たちに文房具などをおくる「ゆめポッケ」と呼ぶ活動などを行っているが、今年また新たにスリランカでの国際交流活動が行われていたのだ。こういうことがさらりと語られたり、展示されたりしている。文化祭の奥深さを感じるのはこういうときである。

 

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