Created on August 18, 2018
予測不能な時代がやってきたと昨今喧しいが、正解が1つでない不確実な時代の到来という意味では予測ができているとポジティブに考えるのが八雲学園である。
したがって、同学園のミッションは、そのような予測不能で不確実な時代にあっても、八雲生が、時代に翻弄されないタフな心身を身につけ、ポジティブな世界を創る精神を身につけ、世界の痛みを共有できる感性を身につけて羽ばたいていけるトータルな21世紀型教育を実践することである。 by 本間勇人 私立学校研究家
そのような八雲生が、大学に進み、社会に出たときに、グローバルな社会貢献をしている姿が見えている。そういうスーパービジョンを八雲学園の教師も生徒も共有している。それは決して抽象的なことではない。
たとえば、卒業生が教育実習にやってきて、世界のエスタブリッシュな私立学校からやってきた交換留生と英語で対話しながら、学園生活を楽しんでいる姿を、日常的にみることができるからだ。
毎月のように世界各国から交換留学生が来ていて、在校生や教育実習で戻ってきたOGと英語で対話しているシーンが日常的になっている学校は、インターナショナルスクールであれば、可能だろうが、ふつうの一条校であるのかといえば、ほとんどないと言っても言い過ぎではない。
このことが可能なのは、実は八雲学園が「ラウンドスクエア(以降RSと表記)」という世界各国のエスタブリッシュな私立学校180校が所属しているコミュニティの加盟を許されているからだ。
国際バカロレア(IB)というシステムは、スーパーグローバルエリートを輩出する組織で、最近広く認知されるようになったが、このIBを創設したクルト・ハーンが、グローバルな政財界人育成より、さらに人間力に焦点を当てたエスタブリッシュな教育を行う同士を集めたいと結成たのがラウンドスクエア(RS)である。
ハーンは、ナチの迫害に命をかけて戦った。だからこそ絶対平和の世界をつくる未来の本物のエリートを生み出す環境を創りたいという想いを有していた。そのハーンの想いが込められているIB以上の教育力をもったコミュニティ、それがRSであるといえるかもしれない。
このコミュニティの加盟校は、みな同士であるから、明日八雲学園に行きたいのだけれどといえば、もちろん待っているよという関係なのである。
年に1度の国際会議やエリア会議が行われ、そこに加盟校の生徒が集い、互いの学校のプログラムの体験や議論を通して、世界を変える意志と精神を共有していく。
八雲学園は、この世界トップクラスのコミュニティと活動を共にするようになったのだ。この極まりなく重要な教育について、一般には、まだ気づかれていないが、心ある受験シンクタンクや情報誌、経済誌は取り上げるようになってきた。
しかし、宣伝のためにRSとコラボレーションしているわけではないから、右顧左眄せず八雲学園は邁進している。同コミュティには、もちろん、近い将来世界を動かす政治家や経済人、学者になる人材ばかりが存在しているのである。当然、八雲学園もそうなる使命が、RSに加盟できる条件なのである。
したがって、加盟したいからと言って、気持ちだけで加盟できるわけではない。その使命を実現できるかどうか審査されて、認定されなければ加盟できないのである。
だから、八雲学園はここに到達するまでに、様々なプログラムを猛スピードで積み上げてきた。事前事後を合わせて9カ月の留学システムも充実させてきた。英語力だけではなく、英語で世界の問題解決を思考して発信する力がRSでは求められるからだ。
そのためには、ハイレベルなディスカッション能力とエッセイライティングの能力、そしてプレゼンテーション能力がなければならない。そこで、UCサンタバーバラで、英語力と思考力をトレーニングする八雲学園独自のプログラムをデザインしてきた。
この9カ月留学は高1と高2の生徒が12人選抜されるかなりのレベルを要する。何せ八雲学園は最終的にはCEFR基準でC1レベルの英語を目指していて、海外大学で英語で議論ができる状態まで成長する生徒の環境を整えているのである。
もちろん、全員がそうなるわけではないが、すべての生徒にその挑戦は開かれている。そして、ただ頑張れ!と促すだけではなく、八雲の姉妹校でありRS加盟校でもあるケイトスクールで3週間学べる高校生用の留学プログラムも創っている。
また中3には、全員がサンタバーバラの八雲レジデンスを拠点に、UCサンタバーバラで2週間の短期留学プログラムも用意されている。
全員が一定水準の英語力をトレーニングし、さらに英語力をC1レベルまで伸ばしたい意欲の高い生徒には、その機会が開かれているのである。
また、全員が一定水準の英語力を有しているからこそ、RS加盟校から交換留学でやってきた留学生と日常生活を楽しめるのである。そして、楽しむだけではなく、そこで刺激を受けて、海外に目を向ける生徒も新たにでてくる。この中学から高校までのレベル別留学プログラムとRSの交流は大きな相乗効果を生んでいるのである。
八雲学園のグローバル教育の優れている点は、もう一つある。それは一年中、英語を活用する行事が満載になっているといいうということなのである。英語は普段から活用しなければ上達しない。授業や行事、留学という立体的なグローバル教育3.0のシステムが完成しているのが八雲学園のグローバル教育なのである。