文大杉並 「感動」を支える PBL型の学び(2)
青井教頭先生は、文大杉並の生徒の特長を一言で表現するなら「感性」という言葉に集約されると語った。それは、文化学園大学が、服装や建築や文化といった「アート」を重視していることに由来するのかもしれないが、一方で、中高で経験する豊富な海外研修プログラムとも大きく関係しているのである。
青井教頭先生は、文大杉並の生徒の特長を一言で表現するなら「感性」という言葉に集約されると語った。それは、文化学園大学が、服装や建築や文化といった「アート」を重視していることに由来するのかもしれないが、一方で、中高で経験する豊富な海外研修プログラムとも大きく関係しているのである。
文化学園大学杉並中高(以降「文大杉並」、または「文杉」)の建学の精神は「感動の教育」である。生徒の心に感動があるからこそ、思いやりや尊敬も育まれ、生きることの意味も感得されるという。そのような感動を生み出す文大杉並の教育の根底には、PBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)型の学びが浸透している。松谷校長、青井教頭、英語科の窪田先生にお話を伺った。(by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)
§3 IBとは違うBCプログラムの特色
世界大学ランキング100位内の大学へのパスポートを取得できるという点で、IBを採用しているインターナショナルスクールとBCプログラムのオフショアスクールは同レベルである。
しかし、決定的に違うのは、IBのインターナショナルスクールは、IBディプロマのプログラム以外には実施できないが、BCスクールとしてのオフショアスクールは、たとえば、日本の場合だと学習指導要領とBCディプロマの両方を取得できる。したがって、今回、文杉はIBも検討しつつ、最終的にBCと連携して、ダブルディプロマプログラムを採用する意志決定をした。
文化学園大学杉並(以降「文杉」)は、いよいよ今年4月高校1年生からダブルディプロマコースを開設する。この開設には、カナダのブリティシュ・コロンビア州(以降「BC」)の教育省との契約によって成り立つグローバルな連携が前提となる。それゆえ、契約が成立し、カナダの教師陣が文杉で教鞭をとれる状況になるまで、公開されなかった。
しかし、今そのすべての条件が揃い、いよいよダブルディプロマ・プログラムが開設されることとなった。今回4月スタートの準備のために、教職員や在校生とミーティングや学びのワークショップを行うために、すでに文杉で仕事を開始しているカール博士(BC教育省のプログラムコンサルタント)とMakiさん(BCプログラムアシスタント)、そしてこのプログラム成立のためのコーディネートに先頭に立って尽力した青井教頭に話を聞いた。by 本間勇人:私立学校研究家
§4 Co-Teaching <think pare share>
カール博士は、「今回私たちも大いに学んでいます。文杉の先生方は意欲的で、何よりオープンマインドで私たちを受けれて下さっています。生徒のみなさんがグローバル大学など世界にどんどんアクセスできる機会を共に作っていくことができるのは、たいへんすがすがしく、心地よく仕事ができます」と語る。
このダブルディプロマ・プログラムは、学習指導要領もきっちり実施し、BCプログラムも充実させる。そのためには、文杉の教師とカナダの教師が共に学び、共に教えるティーチンスタイルをとる校内ガバナンスが大切。このコラボが高い壁になるのが日本の多くの学校の難しいところだが、文杉は久しい間、国際交流の体験を積み上げてきたし、2年間この日のために学内で侃侃諤諤議論し、アクティブラーニングのトレーニングを積んできた。準備万端整ったのである。
2月16日(日)和洋九段女子「フューチャールーム」で、21世紀型教育機構(21st CEO)主催の「新中学入試セミナー」が開催されました。
by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家
2月22日(日)に21会主催の中学入試セミナーが行われた。2015年度の中学受験市場が回復してきた背景に21世紀型教育を実践する学校の躍進があったことが、首都圏模試センター教務情報部長の北一成氏による基調講演で明らかになった。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家
工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)は、今年の中1から、ハイブリッドインタークラス、ハイブリッド特進クラス、ハイブリッド特進理数クラスの3クラス制を実施。授業の改革が生徒の才能を拓く教育をつくることになるという信念を先生方が共有し、昨年からハイレベル英語、PIL・PBL型のアクティブラーニング、ICTの導入、思考コードの創出などの準備をしてきた。
もちろん、これらはたんなる21世紀型スキルではない。同校の校訓である「挑戦・創造・貢献」という信念を生徒がグローバルな状況でより有効に発揮できるための学びそのものなのである。by 本間勇人 私立学校研究家
3月25日午後、ロンドンのUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)のスタッフがかえつ有明に来訪し、21会校とのカンファレンス&交流会が開催された。日本の教育が大きく変わろうとするタイミングでUCLと21会のカンファレンスが行われたということは大変に意義深いことだと感じる。その意味について考えてみたい。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家
3月25日午後、ロンドンのUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)のスタッフがかえつ有明に来訪し、21会校とのカンファレンス&交流会が開催された。日本の教育が大きく変わろうとするタイミングでUCLと21会のカンファレンスが行われたということは大変に意義深いことだと感じる。その意味について考えてみたい。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家
21会SGTの認定条件は、「PIL×PBL×ICT型のアクティブラーニングができること」、「学習する組織をデザインできること」など5つほどあるが、その中で、最も重要な条件は、「≪思考コード/知のコード≫に基づいた問いの構造をつくることができる」=「思考力テスト作成力」である。
そのため、今回のカンファレンスでは、21世紀型教育を創るSGTとして、「知識・理解・応用」というMARCHレベルの問いと「ロジカルシンキング・クリティカルシンキング・クリエイティブシンキング」というIB型の思考力レベルの問いをワークショップで創作した。
5月29日(金)、富士見丘6階ペントハウスで、第4回21会カンファレンスが開催された。毎年5月のカンファレンスは、1年間の21会のメインの活動をシェアするワークショップを行う。(本間勇人:私立学校研究家)
21会会長校である富士見丘学園の6階ペントハウスは、カフェスタイルで対話が盛り上がる最適な空間であり、21世紀型学びの空間のプロトタイプであるので、ここで21世紀型教育のビジョンのシェアと活動の元型を脱構築する場として最適なのである。
三田国際のSGTマスター田中先生の授業は、穏やかで凄まじき対話が響き続ける。おそらく他校では真似のできないオリジナリティである。そのオリジナリティとは、本質の本質に迫る眼差しなのだ。通常の本質論者は、常に本質の物神化というジレンマに陥る。そのジレンマに陥らないためにはどうするか、本質を本質のままに大切にすることはいかにして可能かということがテーマになっている小論文指導は、どこの学校でも行われている。
そしてそんな本質の物神化という大きな物語はすでにないことは、1989年以降、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」で世を騒然とさせたことは記憶に新しいだろう。もはや、本質と経済社会の市場経済を統合することによって、欲望金融経済社会の魔の手から子どもたちの未来を守ることができるのだというテーゼは幻想であり、フェイクである。残念ながら、サンデル教授、トマ・ピケティ教授の書籍がベストセラーとして、まさに本質の物神化の権化になっているというパラドクス!これが物語りなき現代社会の相変わらずの罠なのだ。
三田国際の相互通行型授業(アクティブラーニング)を成り立たせているのは、IB型「問いの構造」をデザインできるSGTの存在とその「問いの構造」を教師も生徒もフラットにシェアできるKnotworkをグーグルのクラウドグループウェアを活用してデザインできる情報系のSGTが複数存在しているからである。
三田国際学園は、今年4月から校名変更、共学校化、1条校でインターナショナルスクール化した。そのあまりにも独自のそれでいて普遍的な教育の志に、中高受験市場は共鳴共振し、中高合わせて400人以上の新入生が入学した。学園の全生徒の実に80%を占める。中学入試の応募者総数は2118人。前年が194名であるから、前年比1091.8%の大ブレイクである。
この奇跡は、首都圏の入試市場を騒然とさせたばかりでなく、その評判は関西圏にも轟いた。しかし、本当に驚くのはこれからなのだ。IB(国際バカロレア)やSGH(スーパーグロ-バルハイスクール)以上のグローバル教育の全面展開がスタートしたからである。そしてそれができるのは、言うまでもなく教師全員がSGT(スーパーグローバルティーチャー)だからなのだ。by 本間勇人 私立学校研究家
(10分休み時間の忙しい時に、中学の教師スタッフルームで。パッとスクラムを組んだ俊敏さ!学内にはSGTはこの倍以上そろっているというから驚きだ。)
文化学園大学杉並(以降「文杉は、)今年4月からダブルディプロマコースを新設。これは、わが国初のカナダ・ブリティッシュコロンビア州(以降「BC州」)公認の海外学校が文杉内に誕生したことを意味する。平成27年6月3日、京王プラザホテルで、その認可証授与式のセレモニーが行われた。by 本間勇人/私立学校研究家
6月4日、工学院は中1の3つのハイブリッドクラスの授業公開を実施。3つのクラスとは、ハイブリッドインタークラス、ハイブリッド特進クラス、ハイブリッド特進理数クラス。
今後グローバル大学入学準備教育が日本の教育においても必要とされる。実際、2020年大学入試改革は、イギリスの大学入学準備教育のシステムを範としているから、国内外問わず、クリティカル/クリエイティブシンキングを養成することは大切になるる。
また、そのための授業としてディスカッション型授業(PIL×PBL)の確立が喫緊の課題となる。それに今年の4月から取り組んでいるのが工学院であり、その授業の成果をはやくも2か月しかたっていない今披露することになった。by 本間勇人 私立学校研究家(開智国際大学客員教授)
2020年大学入試改革の影響を直接被るのは、中1であるから、中1の新しい3つのハイブリッドクラスの改革がダイナミックに行われていることは納得がいくが、当面現行の大学受験システムがあるわけだから、他の学年はどうするのだろうと疑問がわいたが、それは全くの杞憂だった。
それに大学側も少しずつ変われるところから変わっている。だから、やはり中1以外は今まで通りでよいというわけにもいかない。そこで工学院は高3の大学受験指導も強化する改革を行っている。中1からも高3からもサンドウィッチ型大改革を行っているのである。
2015年8月21日(金)、JICA地球ひろば(市ヶ谷)で、聖徳学園と順天学園の高校生によるすてきな「日本型グローバルリーダー」シンポジウムが開催された。
日本人は欧米人に比べ消極的だからもっと積極的に主体的に話し、活動し、世界を救うリーダーシップを発揮しなくてはならないという紋切型の考えをしてオリエンタリズムに陥いりがちな世の大人を尻目に、自分たちの言葉と頭で語り合った。
自分の体験と身近な部活や行事の中での人間関係の中に、グローバルなシーンでも通用するスキルと思いやりがあるのだと。by 本間勇人:私立学校研究家
9月29日(火)、富士見丘は建学の精神「忠恕」という寛容性・思いやりの精神・おもてなしの精神などを全校生徒で振り返るちょうどその日に、東京オリンピック・パラリンピック担当の遠藤大臣がやってきました。東京オリパラは、すべての人々が、どのような状況下に置かれていても、互いにサポートし合いスポーツの精神を楽しみ、世界の人々のために貢献する世界で最大規模のイベント。大臣は、富士見丘の生徒達とこの一生に遭遇できるかどうかの歴史的なイベントにおいて、世界の人々をいっしょにおもてなしし、世界に貢献する自分に挑戦してみようというメッセージを共有しに訪れました。by 本間勇人 私立学校研究家
(ウェルカムパフォーマンスで歓迎した少林寺拳法部の生徒と記念撮影)