聖徳学園ー新たなICT教育へのチャレンジ始まる

聖徳学園グローバル教育センター長でスクールカウンセラーでもある山名和樹先生が、ICT教育の領域で新しい試みを開始しました。早稲田大学大学院の教職研究科の研究室とのコラボレーションで、TalknoteというSNSを利用した中学2年生向けの公開授業を6月に実施。異なる世代の考え方に触れる体験を通して、情報リテラシーやコミュニケーション能力を高めるICT教育のあり方です。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

工学院の深いアクティブラーニング “think, make, share”

2016年7月2日(土)、工学院の実施した第1回中学校説明会の会場は補助椅子を追加するほどになった。新聞、雑誌、テレビなどの各種メディアの取材が殺到している学校だけでのことはある。馳文科大臣まで訪れたのだから、参加者が集まるのは当然かもしれない。
 
しかし、なぜメディアが殺到するのか。ディズニーランドやレゴランドのようなエンターテイメントを行っているわけではない。にもかかわらず興味と関心が伝播している。
 
それは、他の学校では、まだ行っていないモチベーションがアップするイノベーティブな授業が、学校全体で行われているからだ。by 本間勇人 私立学校研究家
 
 

八雲学園 C1英語の学びの環境 着々

八雲学園の英語教育は、CEFR基準でいうC1レベルの学びの環境を設定し、実際にB2からC1レベルの生徒が、毎年50人くらい育っています。C1レベルの生徒というのはどんな感じか、帰国生も含めて日本人ばかりの生徒がいる中高一貫校では実感できないかもしれません。

しかし、八雲学園には、イエール大学やケイトスクールの生徒が訪問し、国際交流が行われますが、イエールやケイトの生徒をもてなすには、すでに八雲学園が英語のレベルC1を目指さなければ、このような国際交流を行おうと思いも及ばなかったでしょうし、そもそも相手にされなかったでしょう。(本間勇人 私立学校研究家)

(米国超名門校の典型的なソクラティックメソッドによるゼミスタイルの学び。ケイトスクールのサイトから)

三田国際学園 学びの質へさらなる進化

三田国際は、偉大な教育改革を断行して2年目を迎えます。インターナショナルクラスのイマージョン教育は、日本の教育界に大きなインパクトを与えました。そして今も与えています。英語をオールイングリッシュで行うばかりではなく、理科、社会、数学までもオールイングリッシュで行うクラスができたからです。言い換えると、いわば一条校としてのインタナショナルスクールの糸口がそこに生まれたからです。

また、昨今トレンドになっているアクティブラーニングも、相互通行型授業あるいはPBL(=Problem based Learning)として、当然展開しています。ただ、このPBLは、驚くべきことに、インタクラスのみならず本科クラスすべての授業で行われているのですから、驚愕の振動が日本全国に走りました。

そして、さらに驚くべきことは、改革2年目を迎える中2のPBL授業がDeep Active Learning(深いアクティブラーニング:以降「深いAL」)に進化したのです。世の中がやっと、Surfacce Active Learning(浅いアクティブラーニング:以降「浅いAL」)に到達しかけている時に、先鋭的な深いALに突入したのです。(本間勇人:私立学校研究家)

(生徒がプレゼンした後、ポール先生はリアリスティックアプローチの問いかけをします。これが生徒の才能に火をつけます。)

「21世紀型教育を創る会」を改組し、「21世紀型教育機構」に変わります

2013年5月31日に、富士見丘学園において、21会は、「第1回21会カンファレンス」を実施し、世の中にその存在を公にしました。2011年10月に旗揚げした時から数えると、21会結成以来4年が経過し、5年目に突入します。

振り返ってみると、2012年は、21会組織をどうするか、毎月のように議論をし、21世紀型教育の輪郭を形成しました。その大枠が「規約」に盛り込まれ、<C1英語×PIL・PBL型アクティブラーニング×最先端ICT×思考力テスト×グローバル進路指導×リベラルアーツの実践>が行われ、教育界にインパクトを与えることになりました。

しかしながら、2013年には、教育界はまだ、これらの実践が何を意味するのかわからず、いったい何が起こるのだろうと訝しげでしたが、2020年大学入試改革について、吉田晋先生も委員だった中教審や教育再生実行会議が熱い議論をしたこともあって、21会の活動が実は先駆けなのではないかと推察する業界人も現れました。

そして、2014年に、三田国際学園の華々しい成功をはじめ、順天、佼成学園女子、富士見丘のSGH入りも相まって、各21会校が注目を浴びました。そして、その21会のインパクトが、「2020年大学入試改革→学習指導要領改訂→授業がアクティブラーニングに変わる・4技能英語教育にシフト→教師が変わる→学校が変わる」という流れを牽引したというのは言い過ぎではないでしょう。

さらに、2015年には、首都圏模試センターの強い支援を得て、21世紀型教育市場という新たな市場創出が、受験市場シェア30%となりました。21会各校がメディアで取り上げられる頻度もあがり、桜丘が最先端ICT教育で文部科学大臣賞も受賞し、首都圏におけるICT教育先進校というポジショニングを確保したのもインパクトがありました。グローバルティーチャーTOP10の高橋先生の話題も世の中を感動させました。最終的には、入試直前ぎりぎりに、各21会校の「思考力入試」や「英語入試」がメディアに取り上げられ、21会校の時代到来を印象付けたのです。

今年は、大阪・京都でも、関西大学付属小学校、近大グループ、立命館グループ、同志社グループが21世紀型教育を本格化し、高橋博先生と江川先生が3つのカトリック学校の21世紀型教育改革を推進することになりました。

しかし、同時に、2016年は、セオリー通り、イノベーションのジレンマが起きています。21会校の教育活動とその他30%シェアに参入してきたその他の私学との差別化が、受験生/保護者から見て、見分けがつきにくくなったのです。見た目21会は、他のなんちゃって21世紀型教育校に追付かれた雰囲気がでてきました。

21会校が、質を高め、そのほかの学校がやっているのは、なんちゃって21世紀型教育であることを証明していけば、差別化はできそうなのですが、それは、2015年に仕掛けて、なかなか難しく、悪貨は良貨を駆逐するというグレシャムの法則に逆らうのは至難の業ということを痛切に感じるに至ったのです。

すでにご承知のように、2016年入試において21会各校は、満身創痍になりながら、なんとか持続可能を遂行しましたが、イノベーションには反動もあり、幾つかの会員校では21世紀型教育リーダーが学校から離れざるを得ない状況も生まれています。

これは、何を意味するのでしょうか?それは21会という組織の限界点に到達したと判断した方がよいのではないかと21会幹事が額を集めて話し合い、改革を牽引してきた21会だからこそ、自らの壁をぶち破り、自らの組織のリフォメーション(改革)を行い、再びレジェンドを生み出そうと決断いたしました。

強力な21世紀型教育を創出する組織として、「21会(21世紀型教育を創る会)」改め、「21世紀型教育機構(21CEO:21century Education Organization)」としてパワーアップすることにいたします。そして、21世紀型教育機構は、ゴールデンルールにのっとり、グローバルゴールズを解決できるグローバルシチズンを育成するクリエイティブスクールを実現します。

本機構の活動、運営、アクレディテーションの仕組み、会費などに関しましては、具体的な規定を盛り込んだ「21世紀型教育機構 会員校 規約」及び「組織図」が出来上がっています。いずれ、これを公にし、実行していくことによって、他の追随を許さない21世紀型教育推進集団であることを世に明快に示し、日本初の21世紀型教育のアクレディテーションという品質認証システムを内包した新しい中等教育学校組織の意義を世に問いたいと思います。

本年度は準備に邁進し、2017年入試において、21CEOとして、教育業界を牽引し、受験生・保護者・在校生、言うまでもなく教師も、21CEOとしての誇りと自信とモチベーションを抱き、学び育った生徒の未来を拓くことになりましょう。

 

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