4月23日(木)21世紀型教育機構の定例会がオンラインで行われました。新型ウィルス感染拡大による休校がいつまで続くのか先が見えない中、50名近い先生方に参加していただき、いち早くオンライン学習などを行っている加盟校それぞれの対応について共有しました。
今回の定例会ではオンラインであることのアドバンテージを活かして、ロンドンとロスアンゼルスからそれぞれゲストが登場、新規企画についての提案をいただきました。ポストコロナ時代における学びの可能性について大いなるヒントが得られました。
また、Zoomのブレイクアウトセッションを活用した6つの分科会においては、それぞれの学校の対応を先生方が持ち寄り、次のステージへ向かおうとする先生方の熱意が感じられました。21世紀型教育機構の学校が、危機においても柔軟に対応できる世界水準の学校であることを改めて確認する機会となりました。
予定していた時間を越えて約2時間30分にわたる会議となりましたが、自宅からの参加や服装についても原則自由でよいこととし、各自の健康を配慮した定例会となりました。
「2020年代の私学サバイバル宣言」 富士見丘学園理事長 吉田晋 先生
富士見丘学園の吉田先生からは、このような状況下であっても中等教育に求められていることを見据え、生徒に社会性を身につけさせることや、思考力・判断力・表現力を磨くことの重要性について確認がありました。また、オンライン学習において各学校間の対応に格差が生じていること、特に公立の学校の対応の遅れについて教育行政に求めていくべきこと、また私学が自ら切り開いていくべき道について力強いメッセージが発信されました。
「世界的危機におけるグローバル教育」 八雲学園 近藤隆平 先生
本来は今回の定例会の会場校のはずであった八雲学園の近藤先生からは、留学プログラムについては実際に海外に行かなくてもICTを活用することでオンライン交流・授業によってグローバルな環境を整備することは可能であること、危機的状況が終わった時に、体験型グローバル教育をすぐに再開できるような準備に対する連携が必要であるとお話されました。
「グローバルSTEAMの真価」 工学院大学附属中高校長 平方邦行 先生
工学院の平方先生は、国連本部のあるニューヨークの写真、そしてSDGsの17の目標が掲げられたスライドを共有しながらお話を始めました。ニューヨークは今回の感染拡大で最も苦しんでいる都市の一つです。世界の痛みに目を向けながら、STEAMやPBLを通して21世紀型教育機構の各加盟校がどういう教育を目指すべきなのか、これまで21CEOが推進してきたグローバル3.0の重要性を改めて指摘されました。
「21世紀型教育機構の今後の役割」順天 学校長 長塚篤夫 先生
順天の長塚先生は、ICTが個別化にも役立つ一方で、つながり=連携のためのツールとしての可能性が広がっていることを指摘されました。英語にも言えることですが、ともするとツールの話に終始してしまい、何のためのツールなのかが忘れられがちなので、その「フィロソフィー」を忘れないようにすることが重要であるとお話されました。オンライン学習では、ルーブリックなどによる教育効果の測定がしやすいという特性を活かし、発展途上である「双方向型オンライン学習コンテンツ」の充実を急ぐべきであると強調されました。