東京女子学園 教師と生徒が学ぶ組織
今年3月、東京女子学園は、今までプロジェクト単位で行ってきた学習する組織が、一転して全体に広がった。それは、iPadが教師全員に配られたからだ。今のところは、企業が作成したWeb ベースの学習システムの活用方法を日々研鑽しているが、クラウド上の教材やアーカイブうなどを活用し、テストもできるから、たんなる技術面の話ではなく、授業や面談のあり方も大変化することになる。by 本間勇人 私立学校研究家

今年3月、東京女子学園は、今までプロジェクト単位で行ってきた学習する組織が、一転して全体に広がった。それは、iPadが教師全員に配られたからだ。今のところは、企業が作成したWeb ベースの学習システムの活用方法を日々研鑽しているが、クラウド上の教材やアーカイブうなどを活用し、テストもできるから、たんなる技術面の話ではなく、授業や面談のあり方も大変化することになる。by 本間勇人 私立学校研究家

工学院大学附属中学校・高等学校は、前人未到の新教育イノベーションを開始した。戦後の学習指導要領の歴史は、J.デューイの経験主義教育とJ.S.ブルーナーの系統主義教育の両極の間を振り子のように行ったり来たりした。その過程でデューイの考え方やブルーナーの考え方は形骸化して、問題解決能力か知識暗記力かという浅薄な二元論に陥った。
21世紀型教育ビジョンを映し出している工学院は、どちらか一方を選択するのではなく、生徒の成長、生徒の生き方、生徒の変容、生徒の才能などに目配りした複合的な学びの理論やそれが育成される環境イノベーションを揃えてきた。by 本間勇人 私立学校研究家

(左から、奥津先生、岡部先生、松山先生、平方校長、島田先生、株式会社メイツ副社長伊藤氏)


聖徳学園では、2015年以降、生徒全員がiPadを1台ずつ所持し、さらに全教室に電子黒板を設置するなど、ICTを本格的に取り入れていることで注目されています。その聖徳学園で、「アクティブ・ラーニングを実践するタブレット端末活用授業の開発研究-教科ごとのタブレット端末を活用した双方向型授業の開発研究―」と題した発表会が行われました。中1から高2まで様々な授業が行われていた中で、私は中学1年1組の英語基礎コース(宮林幸恵先生)、中学2年2組の歴史(涌島訓先生)、そして中学2年3組の国語(久保圭司先生)の授業を見学してきました。(高木美和:早稲田大学1年 21世紀型教育機構リサーチャー)


聖徳学園の伊藤校長先生は、校長就任以来次々と学校外の団体とのコラボレーションを進めてきました。独立行政法人のJICAや大学の研究室、あるいは地元商店街や地域とのつながりも重視するなど、学校全体がまさにプロジェクト学習をしているかのようです。今回の訪問では、中1の2学期に10週に渡って行われてきた「シネマアクティブラーニング」と呼ばれるプロジェクトを見せていただきました。プロの映画監督とコラボレーションし、ICTを活用しながら進めている授業の様子をご紹介します。( by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)

聖徳学園グローバル教育センター長でスクールカウンセラーでもある山名和樹先生が、ICT教育の領域で新しい試みを開始しました。早稲田大学大学院の教職研究科の研究室とのコラボレーションで、TalknoteというSNSを利用した中学2年生向けの公開授業を6月に実施。異なる世代の考え方に触れる体験を通して、情報リテラシーやコミュニケーション能力を高めるICT教育のあり方です。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)は、多様な研修を内製化/内省化しています。もちろん、先生方自身、外部の研修でも自己陶冶していますし、NPOなどとの連携プログラムもコーディネートしています。しかし、最終的には、自分たちの力で学校をパワフルにしていく必要性を感じています。
ですから、自分たちでコーチングシステムを生み出し、学んでいこうとしています。授業・テスト・評価の流れをPIL・PBLに転換し、自らつくった思考コードというメタルーブリックでプログラムをつくり、データによって検証していくシステムはかなり進んでいます。プロジェクトチーム→教科チーム→全体研修と浸透を広めています。
しかしながら、最終的にはどんな局面でも、メンバーと協力し、乗り越えていくリーダーシップを発揮しなければなりません。そのため、リーダーシップ研修の内製化も開始したのです。 本間勇人:私立学校研究家

IT機器やアプリの利用の仕方が先生によって異なるということは、生徒の学びがそれだけ多面的・多元的になるということである。桜丘では、iPad活用のためのインフラを整え、基本的なルールを定めたら、後は使う人の主体性に任せるといったスタンスが明快である。だからこそiPadの活用が進み、生徒と先生の経験値も上がるという好循環が起こるのであろう。

高2生の英語のクラスを覗くと、Paul先生が、YoutubeやKahootといったインターネット上で利用できるアプリを使って授業を行っていた。英語のビデオをリスニングして情報収集を行い、隣り同士がペアになって協力しながらクイズに答えるというゲーム感覚あふれる授業である。

7月17日、桜丘でICTオープンスクールが開催された。教育関係者や全国から集まった学校の先生など、総勢200名近くの見学者で賑わった。ICT先進校の地位を確立した桜丘にとって、iPadを使った授業はすでに日常の風景となっている。ICTリテラシーを自然に身につけながら、未来を切り開く創造性を発揮する生徒の様子を取材した。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

全国でも珍しいなぎなた部が練習する道場を覗いてみた。

2時限目の実技教科、そして3時限目の部活動、と時間をかけて体験するにつれて、文杉の「知性」と「感性」が磨かれるプロセスが徐々に明らかになってきた。

文化学園大学杉並の教育の質は、全国にその名を轟かせるファッション・ショーや、文化部・運動部の全国大会レベルの活躍に表れている。「感動」をキーワードに、狭い意味での知性にとどまらず、身体的・運動的な能力、あるいは空間デザインにまつわる感性をも磨く文杉の21世紀型教育は、2015年度に開設を予定されているダブルディプロマ取得のコースによって、桁外れの卓越性を発揮することになりそうだ。オープンスクールでの様子からその一端をお伝えする。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

学びの過程は、数学や言語の授業でも
本田先生:私は数Ⅲを担当しています。数Ⅲは、ひたすら微積の計算なので学びの過程がないように思われますが、実は数Ⅰ、数ⅡBで身につけた数学的道具を適用するので、多様で多角的な考え方ができます。ある意味本格的な数学的楽しさがあるわけです。

学びの過程が価値を生む
倉橋先生:かけがえのない価値は、聖パウロ学園の教育全体で作られます。生徒1人ひとりがこの総合的な教育の中で、それぞれに居場所を見つけて、それぞれの大切な価値を見出すわけです。一般には、その学びの場はイベントや部活とされ、授業はあたかも知識を優先する場として説明されがちです。
しかし、聖パウロ学園の場合、この豊かな自然や宿泊施設、イタリア修学旅行などでかけかがえのない価値を発見する準備は、授業の中にも埋め込まれています。かけがえのない価値ゆえに、発見もまたそう簡単ではありません。あらゆる教育のチャンスをその発見の場にしたいと思っています。

聖パウロ学園は、高尾山に連なる森のキャンパス、宿泊施設、イタリア修学旅行という他校にはない学びのスペースに恵まれている。したがって、同学園の学びの質は測り知れなく豊かで、かつ独自のプログラムが展開している。
高橋博先生(理事長校長)、倉橋和昭先生(副校長)、本田佐和子先生(数学科教諭)、松原由典先生(生徒指導部長)が、聖パウロ学園の学びの質の可視化についてミーティングをしているシーンに立ち会った。大変興味深い話し合いだったので、一端をご紹介したい。by 本間勇人:私立学校研究家

東京女子学園の21世紀型授業のプロトタイプは、学園史的な流れから言って、ワールドスタディという同校独自の英語の学びのプログラム制作過程で生まれたと思う。それがキャリアガイダンスのプログラムや留学プログラム、大学受験指導プログラムに転移したのではないだろうか。
もちろん、その転移の段階で、相乗作用が生まれ、ワールドスタディそのものも強化されて、システムができたのだし、これからもまだまだ発展する。iPadの導入などは、進化し続けるワールドスタディを象徴している。
今回は、大久保素子先生の中2のワールドスタディの授業を見学した。ワールドスタディに埋め込まれたプロジェクト型学習(PBL)の基礎を理解できると思ったからである。

東京女子学園では、キャリアガイダンス、ワールドスタディという大型プロジェクト型学習(PBL)の学びの体験のエッセンスを教科の授業の中に埋め込めないかどうか議論が起こり、プロトタイプは何かリサーチが始まっている。
というよりも、すでに暗黙知として埋め込まれているので、それを可視化する議論になっている。そのPBLの学びの体験が埋め込まれている数学の授業、小林俊道先生の高2の授業を拝見した。
