工学院 日本初HBインタークラス開設(2)

工学院は、2015年に入学する中1生から、3つの新しいコースを開設する。「ハイブリッドインタークラス」「ハイブリッド特進クラス」「ハイブリッド特進理数クラス」。それぞれ募集人数は、35名ずつ。彼らが卒業するときには、東京オリンピックのつぎの年で、日本は相当グローバルな社会になっているはずである。

そのときに、グローバル人材として活躍するには、CEFR基準でC1英語力、ICTによるデータサイエンス力、IBレベルの高次思考力(IB型思考力)である。どのクラスもこの3つの力は工学院の教育の基礎とするが、その学びの方法に違いがある。

なぜ違いが必要かというと、それは進路選択によって当然変わるからだ。具体的には、来年の新中1が高1になる段階の2018年には、「IB日本語DPコース」「文理特進コース」「医歯薬サイエンスコース」を設置する。C1英語、ICTスキル、IB型思考力をベースに、それぞれの道を実現するには、学びの方法(講義・PIL・PBLの組合わせ)が違うのは当然であろう。

どのように違うかは、まずはアメリカのアイビーリーグ系の大学とリベラルアーツ系の大学の2つの分け方の発想がある。「HBインター」と「HB特進理数」は前者、「HB特進」は後者のイメージを、中学段階に重ねているといえよう。

したがって、次のように学びの方法の違いが構想されている。

要は「HBインター」は、世界ランキング100位以内の大学に進学する力を育成するクラスで、理科、数学、英語は英語で授業を行う。もちろんいきなりイマージョン率100%ではなく、徐々に率をあげていく。「HB特進理数」は、理数系に力を入れ、医歯薬系の進路を実現する力を育成するクラス。「HB特進」は、リベラルアーツをベースに世界を広げながら進路を切り拓いていくクラス。「HBインター」はIBレベルの学び。「HB特進理数」は促進教育。「HB特進」は拡張教育ということになるだろう。

そして、この3つのクラスの教育を実現するには、「授業改革」を断行するというのが平方校長の実践的なビジョンである。

その授業改革が、PIL×PBLに他ならない。PILとはピアインストラクション講義で、PBLとはプロジェクト型学習である。工学院では一方通行的に講義をするだけではなく、教師と生徒の関係を教師と生徒×生徒の関係にシフトした講義(PIL)、教師がファシリテーターとして、生徒どうしが学んでいく学習のスタイル(PBL)を、生徒の成長に応じて、PILだけ、PBLだけ、PILとPBLのコンビネーションを行うというように分けて考えているということだ。

もちろん、高3という最終学年では、教師と生徒の問答の連打という緊張した高度な講義形式になる。最終的には、解なき社会に、自分一人で投げ込まれたときに、サバイブできるタフな知性×感性×身体性のスキルを身につけておかねばならないからである。

 

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