工学院 IB型考える授業公開(1)

工学院は、2015年に入学する中1生から、3つの新しいコースを開設する。「ハイブリッドインタークラス」「ハイブリッド特進クラス」「ハイブリッド特進理数クラス」。また、2018年には、高1から「IB日本語DPコース」「文理特進コース」「医歯薬サイエンスコース」を設置する予定。

要は、文科省もスーパーグローバル大学を指定し、世界大学ランキング100位内の大学に肩を並べようとしているところからもわかるように、日本の大学受験勉強がグローバル大学入学準備教育に変化しようとしている。

工学院も、この動きを見通して、着々と準備を進めているが、その中間発表として、3日間に渡る公開授業を行っているので、取材した。by 本間勇人:私立学校研究家

大学受験勉強から大学入学準備教育にシフトするということは、IB(国際バカロレア)型の授業によって、IB型思考のレベルまで生徒が学べるようにするということを示唆する。

本格的には来年から実施していくのであるが、今から準備をすることにより、すでに国公立大学や早慶上智などの難関私大の入試問題も高度な思考力を要する問題に徐々にシフトしているから、現段階でも準備を進めることは、在校生にとってもその動きに対応できるようになることを意味する。

この工学院のいわばカリキュラムイノベーションがリアリスティックに起こっていることを示すのが、今回の公開授業で多くの教師が、アクティブラーニングであるPIL×PBLの対話型議論型の授業、ICTを活用した授業を実践しているところからわかる。

しかし、それだけではなく、たとえば中1の「学年便り」にあるように、ふだんからIB型思考やIB型学習者像を意識していることからも了解できる。むしろ日常の学園生活で、生徒とグローバルスタンダードや学び方・考え方が共有され、それがベースで、新しい授業が開発されているところに、実現性・信頼性が確かにあるということではないだろうか。

なお、このようなアクティブラーニングが着々と進むには、毎年優秀賞を受賞している新聞の切り抜きで新聞を再編集するコンクールに出場する経験が、工学院の教育の基盤にあったからだということが、今回の公開授業で明らかになった。

上記写真は、生徒がつくった切抜き再編集記事を論評し合っている様子。IBの学習者像である、探求する人、考える人、感性と論理のバランスのとれた人、思いやりのある人などの像が生徒自身の学びの姿に投影されている。

Twitter icon
Facebook icon