工学院 中1から高3から大改革(1)

6月4日、工学院は中1の3つのハイブリッドクラスの授業公開を実施。3つのクラスとは、ハイブリッドインタークラス、ハイブリッド特進クラス、ハイブリッド特進理数クラス。

今後グローバル大学入学準備教育が日本の教育においても必要とされる。実際、2020年大学入試改革は、イギリスの大学入学準備教育のシステムを範としているから、国内外問わず、クリティカル/クリエイティブシンキングを養成することは大切になるる。

また、そのための授業としてディスカッション型授業(PIL×PBL)の確立が喫緊の課題となる。それに今年の4月から取り組んでいるのが工学院であり、その授業の成果をはやくも2か月しかたっていない今披露することになった。by 本間勇人 私立学校研究家(開智国際大学客員教授)

3つのクラスの違いは、ハイブリッドクラスは、中1の段階から海外大学も射程に入れて英語以外の教科である理科と数学もオールイングリッシュで行うということ。そして、どの教科も「概念」の理解からはじまり、それを具体的に適応していく演繹的な方向で学んでいくことが中心になる。

だから、中1のインタークラスの理科の授業では、まずはじめに、実験とは何か、データの取り扱い方とはどうするのか、近似値の意義とは何か、仮説を検証するデータの信頼性・妥当性をいかに知り得るかなど、科学的なもの見方をみっちり身につけるところからはじまる。

ところがハイブリッド特進クラスやハイブリッド特進理数クラスは、問題を解きながら具体的に問題どうしの解き方の違いなどを共有していきながら、気づきを大切に展開していく。どちらかというとボトムアップ型のアクティブラーニング。

しかし、おもしろいのは、高橋先生とキング先生のティームティーチングのオールイングリッシュの授業は、トップダウン×ボトムアップ型のアクティブラーニングになっている。

はじめ昆虫などの生態系につて書いてある英文を読んで、iPadで調べながら、理解していくように学びの方向性をトップダウン型で指示される。そして、その調べたことをストーリーにしてプレゼンするように指示される。

しかし、そこからは、彼らは自由に聞き手を驚愕の世界に導くストーリーテラーになるべく物語を組み立て、画像を配列し、動画を駆使し、BGMを貼り付けながら、物語のプロトタイプを創ってはリファインしていく。

この過程はまさにボトムアップ型アクティブラーニング。いずれにしても「概念」と「創作デザイン」はいったりきたりであり、思考や発想を限りなく柔軟かつ豊かにするプログラムである。

おそらく、21会公認SGTマスターでもある高橋一也先生中心に、プログラムの多様な理論が3つのハイブリッドクラスに応用されていくのだと思う。

中1のどのクラスを覗いても、休み時間の様子を覗いても、生き生きしている生徒の探求の姿に、日本の教育改革の希望がここにあると確信を抱くことができた。

 

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