会員校別記事一覧

八雲学園 進化する“Have fun” (3)

取材の日は、ちょうど期末も終わった時期だったため、チューター面談も行われていた。八雲学園の教育の4本柱のうちチュータ制度もその一つ。中3までは、生徒は、担任の先生以外に相談やアドバイスをしてもらえる先生をチューターとして選ぶ。毎日いっしょに時間を過ごしている担任の先生といつもはいっしょに過ごしていないチューターの先生からもらうアドバイスは、角度が一致していたり違っていたりする。自分を複眼的に見ることで、自分のオリジナリティや自分らしさが見えてくる制度。

八雲学園 進化する“Have fun” (2)

「かき氷」のおもてなしは、突然行われる。「サプライズ!」もまた「楽しい」学園生活を生み出すアクセント。しかし、むやみに行われるわけではない。ここのところ続く猛暑の中、生徒が駒沢体育館を往復し、9月の体育祭でパフォーマンスをくりひろげるダンスの練習をしてきたからである。さて、八雲学園のダンス・パフォーマンスこそ学習指導要領では行き届かない21世紀型教育のクオリティの発露である。

八雲学園 進化する“Have fun” (1)

八雲学園について在校生にたずねると、決まって生徒は「楽しい!」と満面の笑みをたたえて答える。廊下を歩いているときにたずねても、掃除をしているときにたずねても、理科の実験をしているときにたずねても、ダンスをしているときにたずねても、チューター面談をおこなっているときにたずねても、吹奏楽を演奏しているときにたずねても、生徒会室でたずねても、メディアセンター(図書館)でたずねても、そして先生方にたずねても、「楽しい!」と答える。

後ろの方で、近藤校長が生徒と話している声がしたので振り返ると、校長は“Have fun”といって生徒を見送っている。MITメディアラボのプレイフルラーニングこそ究極の21世紀型教育であるが、その根っこはすでに八雲学園にあった。八雲学園の楽しい教育環境が、生徒の興味関心を探究心に進化させる。その姿を追った。(by 本間勇人:私立学校研究家)

21会の近況ダイジェスト 時代の要請に耳を傾けて(2)

21会の「学習理論部会」と「思考力テスト部会」は、哲学授業に挑戦したり、思考力セミナーを実施したり、思考力リサーチを行ったりしている。グローバル教育部会のIBやAレベルの情報、独自にリサーチしたMITメディアラボやハーバード大学の授業理論、ACT21sの21世紀型スキルなどについてもリサーチ。

各メンバーの多くはこの夏イギリス、フランス、ニュージーランド、東アジア、オーストラリアなどにも視察。また日本語IBのためのIB教師研修にも参加。実際に海外の大学に対応できる授業やテスト、評価などシラバス・イノベーションを着々と準備している。イノベーション教育とは、タブレットを活用するだけではなく、シラバスそのもののイノベーションというソフトパワーを前提にしているのが21会校の先生方。(by 本間勇人:私立学校研究家)

 

21会の授業 考える共同体

21会の授業について、先生方はそれぞれリサーチし実践をしているが話題に出るのは、次のような本である。

21会の近況ダイジェスト 時代の要請に耳を傾けて(1)

今年5月31日、21会は第1回カンファレンスを開催。昨今は、グローバル人材育成競争に対応する様々な教育論争や政策論議が一段と喧しい。それら議論は言うまでもなく、玉石混交であるから、私立学校の時代の役割とコミットメントを大前提とすることをまず確認した。

そして、グローバル教育とイノベーション教育、そしてリベラルアーツを≪GIL≫と呼び、私立学校の独自でいながら世界標準を創り出せるような最先端のGIL教育を開発・実施していくことを宣言した。グローバリゼーションは一方で、時空を超える異次元的ともいうべきスピードで変化するため、目先の目的合理主義に陥りがちである。しかし、もう一方で、地球市民として全休的リーダーを育成する時代の要請の声も大きくなっている。

それゆえ、21会校は、教育改革幻想や学力幻想に右顧左眄せずに、世界の子どもたちの大切な人間の根っこを大切にする教育活動を常にリフレクション(反照)しながら、最適な≪GIL≫教育を切磋琢磨している。その21会校の近況活動をご紹介する。(by 本間勇人:私立学校研究家)

工学院 英語科のカリキュラムイノベーション 

工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」)は、グローバル教育、イノベーション教育、リベラルアーツを掲げて、今まで積み上げてきた工学院の教育の質をグローバル人材育成の教育に広め浸透するバージョンアップに挑戦している。

この夏、日本語IB(国際バカロレア)のための教員研修(IB ASIA PACIFIC REGIONAL WORKSHOPS)に参加した英語科主任の道家先生に、カリキュラムイノベーションの方向性を聞いた。(by 本間勇人:私立学校研究家)

文化学園大学杉並  「感動」を生み出す「感性」(2)

文大杉並のダンス部パフォーマンスにもアートの精神はみなぎっていた。ダンスが身体による表現であることは言を俟たないとして、それが「感動」を生むアートになり得るのは、踊る者と観る者の創造的感応とでも言うべき空間が文大杉並に用意されているからである。

 

文化学園大学杉並  「感動」を生み出す「感性」(1)

文化学園大学杉並中学・高等学校(文大杉並)の薔薇祭は、アートの精神がほとばしる大イベントである。数あるイベントの中でも圧巻だったのが、全国の高校でもトップレベルとして有名なファッションショー、そして、感受性豊かな「内面」を「全身」で表現するダンスパフォーマンスである。学習指導要領の観点を遙かに超える教育活動の成果の一端を紹介する。(鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)

東京女子学園 梅香祭 創造的才能の発揮(3)

東京女子学園のクリエイティビティは、女学生の系譜の現代化から生まれてくる特徴が際立っていることがわかったが、そもそも創造性の源泉はどこかというと、それはとにかくlearning by makingから始まるということである。それは、創作ダンスや筝曲の演奏、吹奏楽、美術などの芸術だけではなく、理科、数学、社会など各教科にもあてはまるほどの徹底ぶりである。

東京女子学園 梅香祭 創造的才能の発揮(1)

今年、東京女子学園は、創立110周年を迎えた。1903年(明治36年)東京府内で高等女学校として認定第一号の学校。女学生の系譜のルーツである。今年の文化祭「梅香祭」は、21世紀型女学生にふさわしいクリエイティビティを解き放った。

しかも、東京女子学園流儀の創造を生み出すシステムも随所に見える化。生徒自身が創造の方法(学ぶ力・学ぼうとする力)を共有していた。その方法を探った。 by 本間勇人:私立学校研究家/永田修介(東京理科大学1年):リサーチャー

佼成学園女子 コラボレートする「心」を鍛える(2)

佼成女子の行事には実施する順番にも意味があるのだと教頭の江川先生は強調されていた。「体」を鍛える体育祭と「心」を鍛える文化祭、そして、人の喜びや悲しみが分かる「心」が、「頭」を鍛えるという。英検まつりや合唱コンクールもそういった一連の流れに組み込まれている。イベントは単発で終わるのではなく、それぞれの目的がつながっているのだと。

佼成学園女子 コラボレートする「心」を鍛える(1)

 佼成女子には、「行事が人をつくる」という標語がある。「行事」を通して「心を鍛える」こと、すなわち、「人を思いやる人間らしい心を育む」ことが教育の大きな柱になっているのである。乙女祭は、そういう佼成女子らしさがいかんなく発揮される大イベントである。今回は、特にグローバル教育とコラボレーションに関わる部分を取り上げる。(by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)

 

佼成学園女子 コラボレートする「心」を鍛える(2)

佼成女子の行事には実施する順番にも意味があるのだと教頭の江川先生は強調されていた。「体」を鍛える体育祭と「心」を鍛える文化祭、そして、人の喜びや悲しみが分かる「心」が、「頭」を鍛えるという。英検まつりや合唱コンクールもそういった一連の流れに組み込まれている。イベントは単発で終わるのではなく、それぞれの目的がつながっているのだと。

順天 自然と社会と自己の均衡点(3)

順天学園は、多重機能、多様性、多重知能など多くの角度・多くの環境からものの見方・考え方を身につけられる。しかし、それは均衡点を見いだすことができるからだ。均衡点とは4Cの重心であるかもしれない。さて、「北斗祭」でもう一つ「多」のつく活動を見つけた。

順天 自然と社会と自己の均衡点(2)

「多」という言葉と「均衡点」が意味するところは、自然の摂理と一貫する。しかも、その摂理は、自然のみならず、社会や人間の精神にも生態系さながらリンクしているはずだという仮説を立てるのが21世紀型スキルとか21世紀型教育のものの見方・考え方である。学園には「順天求合」に込められたコンセプトがたしかに花開いていた。

順天 自然と社会と自己の均衡点(1)

順天は、179年前に誕生した。和算の大家福田理軒が創設。その教育理念である「数は宇宙に在りて術は人に在り」「自然の法則に従い、互いに真理を探求する」は校名「順天」に内包され、今も脈々と続いている。当時の和算は、壮大な宇宙学でもあっただろう。身近に壮大な自然に触れ、街や田園のランスケープを眺めることもできた。そして日々天変地異と社会的不安の中で人々は生き抜いていた。

福田理軒は、その三者に何とか宇宙の法則を見出しゆるがぬ真理を見いだそうとしたに違いない。その均衡点は、しかしながら、いまだに人間は手にしていない。手に入れたと思うや、するりとどこかに見えなくなってしまう。

したがって、その順天求合の精神は、21世紀の今もなお希求されるものであり、その追求のスキルを養うことこそ21世紀型教育。順天の文化祭「北斗祭」にその文化遺伝子<ミーム>を見出した。                 by 本間勇人:私立学校研究家/21会リサーチャー 松本実沙音(東大文Ⅱ)

文化学園大学杉並  「感動」を生み出す「感性」(2)

文大杉並のダンス部パフォーマンスにもアートの精神はみなぎっていた。ダンスが身体による表現であることは言を俟たないとして、それが「感動」を生むアートになり得るのは、踊る者と観る者の創造的感応とでも言うべき空間が文大杉並に用意されているからである。

 

文化学園大学杉並  「感動」を生み出す「感性」(1)

文化学園大学杉並中学・高等学校(文大杉並)の薔薇祭は、アートの精神がほとばしる大イベントである。数あるイベントの中でも圧巻だったのが、全国の高校でもトップレベルとして有名なファッションショー、そして、感受性豊かな「内面」を「全身」で表現するダンスパフォーマンスである。学習指導要領の観点を遙かに超える教育活動の成果の一端を紹介する。(鈴木裕之:海外帰国生教育研究家)

東京女子学園 梅香祭 創造的才能の発揮(3)

東京女子学園のクリエイティビティは、女学生の系譜の現代化から生まれてくる特徴が際立っていることがわかったが、そもそも創造性の源泉はどこかというと、それはとにかくlearning by makingから始まるということである。それは、創作ダンスや筝曲の演奏、吹奏楽、美術などの芸術だけではなく、理科、数学、社会など各教科にもあてはまるほどの徹底ぶりである。

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