八雲学園の進路指導 感性教育の成果(2)
座談会に出席した4人は、机に座るや、話が盛り上がった。とにかくいろいろな体験が多く、自分が大きく変わる実感を抱けたことに、口々に八雲学園で6年間を過ごせて「よかった!よね」「よかった!よね」と確認し合っていたのが印象的である。
(左からISさん:東京歯科大学歯学部 BSさん:国際教養大学国際教養学部 HSさん:立教大学異文化コミュニケーション HMさん青山学院大学文学部)
座談会に出席した4人は、机に座るや、話が盛り上がった。とにかくいろいろな体験が多く、自分が大きく変わる実感を抱けたことに、口々に八雲学園で6年間を過ごせて「よかった!よね」「よかった!よね」と確認し合っていたのが印象的である。
(左からISさん:東京歯科大学歯学部 BSさん:国際教養大学国際教養学部 HSさん:立教大学異文化コミュニケーション HMさん青山学院大学文学部)
八雲学園の英語教育の評判が高いのは有名である。しかし、それで満足しないのが八雲学園である。本サイトですでにご紹介しているように、今年3ヶ月留学に16人の高1生がチャレンジし、高度なエッセイライティングやIB型思考のレベルのディスカッションができるようになっている。
そして、英語の表現力がパワーアップする英語によるドラマ・エデュケーションがさらにミュージカルエデュケーションに進化した。英語祭において、その真価が発揮されたのである。by 本間勇人:私立学校研究家
今年も八雲学園の他校には真似ができない英語教育「English Fun Fair(EFF)」が行われたが、毎年毎年質的向上がある。今年も質的飛躍が果たされた。その飛躍とは何か探ってみたい。by 本間勇人:私立学校研究家
バックアップ授業終了後、UCサンタバーバラ大学3ヶ月留学とテネシー工科大学3ヶ月留学のクラスから3名ずつ残ってもらい、留学プログラムについて語るワークショップを行ってもらった。
榑松史人先生と近藤隆平先生も参加され、生徒のみならず先生方もメッセージを創り上げた。これこそ21世紀型教育やIB(国際バカロレア)で重視されている教師も生徒も常に学習者であるという理念の体現である。ここに八雲学園のハイレベル英語教育が成立する根本が横たわっていたのである。
今回はバックアッププログラムを拝見した。よく世界のテニスプレイヤー錦織選手の海外でのインタビューシーンが話題になる。英語で意志を伝えるだけではなく、外国人インタビュアーの質問を切り返したり、いなしたりている様子があまりに自然で、グローバルな活躍をするときの英語力のロールモデルになっている。
そして、16人の3ヶ月留学から帰還した生徒の英語の授業は、まさに錦織流だった。
(UCサンタバーバラ大学3ヶ月留学クラスのエッセイライティング授業。オールイングリッシュで対話)
八雲学園の英語教育の充実度は、すでにメディアでも毎年ランキング1位として評価されている。にもかかわらず、今年4月、新たな挑戦が始まった。
それは16人の高1生がUCサンタンバーバラに8人、テネシー工科大学に8人と、八雲学園の新たなハイレベル英語教育プログラムを生み出すべく、ミッションを胸に海を渡ったことである。by 本間勇人:私立学校研究家
八雲学園の感性教育の傑出しているところは、グローバルリーダーの土台を形成するところにある。リーダーは、仲間やチーム、組織にモチベーションを立ち上げなくてはならない。同質性の集団の場合、同じ価値観を強制するだけでも外発的モチベーションはあがる。
しかし、グローバルな世界は、チームや組織は、価値観や考え方が全く異なる人間同士の集団になる。そういう状況下で、同じ価値観を強制でもしようものなら、外発的モチベーションどころか、組織は停滞後退する。
ダイバーシティといわれる状況下では、違う価値観や考え方を尊重し合い、ビジョンやコンセプトレベルで、共感できなければならないだろう。八雲学園は、その共感の土壌が見事にできているが、体育祭のときにそれは最も顕著に現れる。
八雲学園の体育祭は感性教育の結晶である。このことの意味するところは、実に重要であり、多くの学校教育における体育祭と決定的に違う。その違いとは何か?
風をきる旗、意志を噴き上げる旗、未来を拓こうとする旗。高3生のダンスで舞う旗は、彼女たちの想いをたくさんの姿にのせて自在に変化した。あるときは軍隊の銃剣であり、その銃剣に倒れる民衆たちを悲しみながらつつむ旗そのものだった。
高3生のダンスは卒業への通過儀礼のクライマックスの1つ。モニターにレ・ミゼラブルの映画の一部が流れた。とすぐに、3年生が現れた。純粋な水の色で身を包みながら、それは悲しみの涙なのか、それは恐怖で凍てついてるのか、氷の塊のような姿が出現した。
2014年9月19日(金)、駒沢オリンピック公園体育館で、八雲学園の体育祭が行われた。同校の体育祭は、たんなる競技コンクールではない。もちろん、身体能力を競い合うレースはある。
しかし、それだけではなく、笑いあり、音楽あり、ダンスありで、生徒1人ひとりが五感を研ぎ澄まし、筋力と精神のよき緊張感を持続するために励まし合い、身も心も全力を注ぐさわやかで感動の渦を生み出す場となる。近藤校長のめざす教育の総合力を結集する「感性教育」の集大成である。by 本間勇人:私立学校研究家
(体育祭の高3のダンスは、全員が「旗」を使いながらダイナミックに跳躍する伝統がある。後輩に代々継承される精神のロールモデルで、憧れのパフォーマンス)
グランプリ賞を受賞した高3生。その喜びはどれほどだっただろう。そのとき、いっしょにがんばった他のクラスの仲間のことをどう思っただろう。みんなとがんばって競い合って得たグランプリ。遠慮せずに喜びを素直に身体全体で表現するのが、がんばったみんなをもてなすマナーであり、自分たちの頑張り以上だったグランプリを受賞した仲間を心の底から称えようというのも、これもウェルカムの精神の表現である。
しかし、なぜそれができるのか。勝ち負け、損得感情の価値観とはまったく違う価値観を共有しているからである。技術の差は冷静に認めよう。でもこれまでがんばってきたプロセスで、がまん、団結、努力、大切なことを学び、心がときめいたことが真実である。それは互いに称えよう。そういう価値観を共有しているのが八雲学園の学びの組織なのである。
一般に、合唱コンクールは、音楽活動であり、音楽科の指導の下に行われるが、八雲学園の合唱の活動は、そうではない。同学園の中心的な感性教育の実践の場である。
専門的な音と人間の関わりにおいて音楽家の先生に指導を仰ぎながら、歌詞の言葉の力のもつコミュニケーション力、チームを紡ぐ力、ネットワークを結ぶ力、深い悩みとそれを乗り越える人間力、小さなものの背景に大きな感動を捉える力、それらすべての積み上げが生み出す世界観をつくる力において、八雲学園の教師と生徒による総力戦なのである。
音楽を紡ぐイベントであり、音楽を通して学びの組織をつくるプロジェクトマネジメントの力を教師も生徒も学ぶ最強の磁場でもある。
八雲学園の感性教育の象徴的な行事「合唱コンクール」が開催された。同学園の行事は、毎月のように行われるが、全学年が共通のアクティビティを行う行事は、おそらく合唱コンクールだろう。
それゆえ、全学年が高3生の姿をみて、「メンタルモデル」を強烈に共有できるという意味でも、八雲学園においては重要な教育プログラムである。感性教育の大きな結晶体としての「合唱コンクール」を取材した。by 本間勇人:私立学校研究家
来週10日(木)、八雲学園は合唱コンクールを開催する。それにむけて、特別練習期間が始まっている。同学園の行事はほとんどが6年全体で行うから、高3生にとって、一つひとつの行事が卒業式である。合唱コンクールで卒業式、体育祭で卒業式、文化祭で卒業式、各部活で卒業式、そして来春卒業式本番を迎える。
まるで小鳥が遠くに飛翔するために親鳥が力の限り最後のエネルギーを注いでいるかのようだ。練習すれば練習するほど、力がタメられていくかのようだ。その様子を取材した。by 本間勇人:私立学校研究家
6月14日(土曜日)、八雲学園の中1のレシテーションコンテスト開催。入学してから2か月半が経過した中1にとって、英語教育の八雲の本格的な行事がいよいよスタートしたことになる。
八雲学園の行事は、1つひとつ完結していながら、実は6年間すべて意図的・計画的につながっていて、授業で知識を、行事で知識に息吹を与える感性を育てる。それゆえ、近藤校長は、この八雲の教育全体を感性教育と呼んでいる。
レシテーションコンテストは、もちろん英文を読み・書き・聞き・話すという4領域全体をカバーしているが、さらに深い仕掛けがある。by 本間勇人:私立学校研究家