PBL

21世紀型教育機構 第2回「新中学入試セミナー」

2018年2月18日、工学院大学新宿キャンパス アーバンテックホールで、≪21世紀型教育機構 第2回「新中学入試セミナー」を開催しました。セミナーについての記事は後日掲載いたしますが、セミナー全体を貫いた「グローバル教育3.0」の考え方について、最後に工学院の校長平方先生(同機構副理事長)がまとめました。

プレゼンのときに活用したパワーポイントの中の1枚に、コンパクトにまとめられている表がありましたので、それをここに掲載します。

 

 

21世紀型教育機構のすべての加盟校は、「グローバル教育3.0」を実践しています。各加盟校のその具体的実践については、今後も当サイトでお知らせしていきます。私たち機構の日々の実践の積み上げは、同時に自己変容の過程でもあります。

この過程は、2020年度の大学入試改革まで、続きますが、その時点で、国内の改革と21世紀型教育機構の改革には差異が明快になるはずです。

そのことに世間が気づいたとき、私たちは、次のステージに移行していると思います。

「グローバル教育3.0」の実践は、次のステージへの跳躍台となるでしょう。

そうならなければ、世界の国々と未来のイノベーションを共有できないフリーズした日本を子どもたちに押し付けることになるからです。

 

 

聖パウロ学園高等学校 21世紀型教育の意味

聖パウロ学園高等学校(以降「聖パウロ学園」と表記)は、高尾山の裾野に広がる森の中にある。東京都内で、このようなマインドフルネスな環境にある学校は他にない。冬になると、雪景色は美しくも厳かで清らかな時空が流れる。

自然体験あり、乗馬あり、まるで、ソローやエマーソンが森の小道の向こうから現れて、自然と社会と人間存在についての対話を誘うような雰囲気である。彼らの信条は、マハトマ・ガンディーのインド独立運動やキング牧師の市民権運動の精神とシンクロする。

そして、聖パウロ学園自身、20世紀型教育で、学力格差や偏差値競争によって、自らの潜在的才能に気づくことなく自己肯定感を持てないように強いられてきた生徒に自信と勇気を回復する場としてやはり共通した精神が流れ広がっている。by 本間 勇人 私立学校研究家

 

学校案内を開くや、こう問いかけてくる。

変わり続ける21世紀をキミたちはどう生きる?

高校3年間で、生徒たちは、森の中で、少人数クラスの中で、部活の中で、文化祭の中で、オーストラリアの研修で、自分を見つめ、他者を受け入れ、man for othersの精神を胸に、自分の道を森の小道の向こうに見つけていく。

聖パウロ学園の英語の授業は、オールイングリッシュで展開し、PBL型授業。英語力を学ぶだけではなく、教師と生徒、生徒と生徒による対話によって、多角的な視点を見出していく。グローバル市民として、人間存在を大事にし、自由を大切にするには、世界的市民の視野を広げる必要がある。

テキストもケンブリッジ出版のものを使い、そこから動画に飛びグーグルマップに飛ぶには、Webも活用する。聖パウロの英語教育は、今年4月から、グローバルコースも開設し、帰国生も入学してくる。日本語と英語、イタリア語、フランス語などの多言語に対する対応は、多様性の環境が不可欠だ。

英語で対話し、互いに創造的思考を交わすことができる英語のPBL型授業は、少人数クラスで、自然の環境の中だから最適なのかもしれない。

聖パウロ学園は、カトリック学校だから当然宗教の時間がる。そこでも聖書は日本語と英語だ。しかも、主の祈りを手話を通すことで、その意味を身に染みて感じるというlearnnig by doingも行われる。対話と体験というのは古くて新しい授業である。21世紀型教育は、新しい道具を活用しながら、20世紀政治経済社会によって忘却のかなたに追いやられてきたかけがえのない存在の価値を取り戻す教育でもある。

聖パウロ学園の授業は、教師と生徒の問答が絶えることのない対話の授業であるが、数学のように、生徒同士が教え合う場面も多い。教えることが伝わることに必ずしもならない歯がゆい体験こそ、数学的思考を教える自分が本当はまだ分かっていないのではないかというリフレクションを誘うし、教えられる側も、素直に疑問をぶつけることができる。

問答や対話や教え合いは、柔らかい関係性をつくる機会を生み出し、互いに自己変容するGrowth Mindsetを開いていく。自他のつながりが生まれる時にこそ、自己肯定感の発露が生じるのである。

柔らかい自然採光に包まれながら対話が中心の授業が日々行われていく。知識を覚えて再現するだけの授業から、対話をし、論理的で創造的な思考を大きく回転させていく生徒。その思考の回転は小宇宙の渦となり、そこに真理が顔をのぞかせる。

そのとき「私はこう生きる」という自分にとってかけがえのない価値が出現する。真理は個人に働きかけるからである。一人ひとりが、他者と違う自分の才能に気づくという真理の働きかけこそ「私はこう生きる」という仲間の集合を創り出す。

 

この体験が、大学や社会に進み、誰かが決めた基準に振り回されるストレスの中で、自分の才能に基づいた思考や判断をすることの大切さを共に気づいていこうと語りかける行為をする人材を聖パウロ学園からは生みだす大きな契機になる。

グローバルとは、政治経済的には、ひと・もの・かね・情報の分断を超えるもではあるが、人間存在という側面では、自己と他者の壁を越境し、互いの価値を分かち合う心の場を創ることでもある。

才能の芽を摘まれないように、小さくなって生きてきたキミ、聖パウロ学園で花を開かせようではないか。

八雲学園 グローバル教育3.0に転換

2018年4月から、八雲学園は共学校になる。生徒の未来は、2018年問題としての少子高齢化の影響、2020年の大学入試改革の影響、2030年の第4次産業革命本格化の影響などを受ける。時代の大きな変化を読み解き、八雲学園は大きなチャンレジをすることにした。

それが、Round Square(ラウンドスクエア:以降「RS」と表記)加盟校になるという決断である。3年前からRS候補校として、加盟の準備をしてきて、2017年正式に加盟校として認定されたのである。RSは世界40カ国の私立学校が高い理想のために、教科書とキャンパス内だけの教育から世界に飛び出る体験を大切にする教育を目指すことを心1つにする共同体である。

現在、グローバル社会は、光と影の相克の様相を呈し矛盾がさく裂している。生徒の未来は、もっと魅力的で多様性に寛容なグローバル世界として組み立てていかねばならない。そして、それを創っていくのはいまここにいる生徒たちだ。彼らが真のグローバル世界をつくるリーダーに成長する本物教育を実践する世界の私立が校が結集したのがRSだ。

進学とか大学入試問題といった意識とは全く違う広く高い問題意識を共有するグローバル教育を行っていく覚悟の一環として共学校に転換することを決めた。by 本間勇人 私立学校研究家

(左から高等部長菅原先生、2人の高3生、理事長校長近藤先生、2人の高2生、国際教育顧問・ラウンドスクエア名誉会員榑松先生)

RSは、IDEALSという高い理念を共有する世界40カ国の私立学校の共同体。そのIDEALSというのは、<Internationalism, Democracy, Environmentalism, Adventure Leadership and Service>という6つの学びの頭文字をとって共通理念としている。

これらは、教科書や教科の学習の中には収まり切れず、実践的な体験やディスカッションを通して学ぶ理念。冒険や奉仕活動は、日本では想像できない極限状況に直面する学び。ナチス時代迫害を受けたクルト・ハーンが、エジンバラ公の協力でイギリスに亡命して創った学校がモデルになっている。このクルト・ハーンの自己体験から見出した人間の存在への想いは、壮絶なアウシュビッツ体験の中で生きる意味を見出したヴィクトール・E・フランクルや治安維持法事件で逮捕されながらも君たちはどう生きるべきかを説いた吉野源三郎と共通する心性だろう。

 

忘却してはならない根源的な精神。その精神を学び体得する学びがIDEALSに集約されている。今やこの理念は、40カ国の私立学校に共有され生き続け、そこに八雲学園も参加したのである。

RSは、年に一度、ラウンドスクエア国際会議(RSIC)を開催する。2016年はドイツで、2017年は南アフリカで行われた。加盟校から1,000名の生徒と教師が参加し、ホスト校のIDEALS活動を共有する。実際に、その学校が行っている冒険や奉仕活動を追体験する。そして、ディスカッションを行い、グローバル世界で起こっている壮絶な問題をいかに解決するかグループワークを行う。

この会議は、実にスリリングでエキサイティング。内なる高い理念の炎を燃やし、参加者が1つになる。毎年開催される会議によって、この内なる炎を絶やさないために、加盟校が1つになって活動を続けていくモチベーションにもつながっている。

 

2016年は、候補校として2人の生徒(当時高2)が参加した。八雲学園は、イングリッシュファンフェア、サンタバーバラ研修、イエール大学との芸術交流、3か月留学など、優れた英語教育の環境が整っている。2人は、英語力の不安はなかったにもかかわらず、RSICには衝撃を受けた。参加者の問題意識がふだん接している日本人とは全く別次元の高さだったからだ。教科書やキャンパス内での教育では収まり切れない問題意識。意識は世界の問題に広がり深く迫っていく。

高2の八雲生は、IDEALSという理念を実現する学びは、生半ではできないことを痛感。帰国後、八雲学園でRSのメンバー校として学ぶことがいかに重要なことであるか、それを提唱するアンバサダーとして覚醒した。

2017年秋は、南アフリカでRSICが開催された。前年ドイツに行った生徒2人は高3になってからも、高2生2人と同行した。高2生は、やはり先輩たちが初めて参加した時のようにワクワクしながらも戸惑いつつ、ハードルを乗り越えてきた達成感を抱いていた。

一方、英語力の問題以上に、自分の想いを、バラザ(南アフリカでは、リラックスして深い話し合いをすることをバラザと呼んでいる)で、伝えられなかったことが課題であると明確に認識していた。やはり世界を広く深く見つめるには、ふだんから時事問題などに触れ、友人や家族と話すことは重要だと感じたようだ。

今まで、父親が時事問題について話しかけてきても、聞き流してしまうことも多かったが、今は全く違うという。問題意識は対話によって見出すことができるのであると。

高3生は、今回はある使命をもっていた。もっと対話に参加し、自分の想いだけではなく、日本の問題や課題についても共有してこようと。他人事の問題や課題ではなく、自分たちの問題や課題が、世界の人と共有できるかどうかが大切なのではないかと。

すなおに、互いの心を開き合うことができるかそこにチャンレンジした。だから、心を開きあうにはどうしたらよいかについて考えを巡らしていたようだ。RSICでは、世界40カ国から集まってくる。出遭ったときに、相手の所属している国からその人をイメージする先入観や固定観念を、話し合いながら払しょくしていくことはいかにしたら可能かということを考えたようだ。

この対話の時に抱く相手に対する先入観や固定観念は、何も自分たちだけが抱くわけではない、相手もそうだ。だから、対話によって、国と国が話しているのではなく、1人の人間として話し合うのだという糸口を見つけることが大切なのだと。そこから先入観や固定観念は崩れていくと語ってくれた。

実は、この彼女たちの交流に対する考え方こそ、新しい八雲学園のチャンレンジなのである。

これまでの日本の英語教育は、このようなIDEALSを理念とするグローバルシチズンとしてのリーダー同士の交流を育んでは来なかった。国際理解教育といっても、異文化理解と称して、現地に行って、モノとしての文化を見てくる程度だった。あるいは、最近でも、たしかにWebによって、世界の情報を調べることができるようになったが、直接個人と個人の交流ではなかった。

情報や商品を、グローバルに獲得することはできるが、中高の段階で、個人の考えや世界観を共有することは、たまたまに過ぎなかった。中高の国際交流ももちろんあるが、それは学校と学校の交流で、個人の世界の問題について共有する場はなかなかつくれなかった。

しかし、今は中高生個人が自分の考えを持っていれば、世界に影響を与えることができる時代でもある。国や自治体や学校の枠組みの中での、ステレオタイプな交流ではなく、IDEALSという理念共同体という枠組みの中での、個人個人の世界観を共有するグローバル教育が、始まったのだ。

八雲学園のチャンレンジは、ストレートにそれでいて自分勝手ではなく、IDEALSという人間の存在にとって一番大事な理念を共有したうえで、中高生個人個人が、自らの想いをグローバルな規模で共有し、直接未来を多様性の中で協力して創造していく時代を開くことである。

その動きは、八雲学園の中で、はやくも始まった。南アフリカから帰国後、4人の八雲生は、RSのアンバサダーとして活動を開始したのだ。

 

それは、ラウンドスクエア委員会発足というプランの実現である。まずは、その一環として、ラウンドスクエアの「Baraza(バラザ)」とよばれる活動を校内でも行っていく。あるテーマについて英語で意見をシェアしていく。世界に視野を広げ、自分たちの世界観を深めていくことを八雲学園全体で取り組んでいこうというのである。

一握りの生徒が、グローバル市民としてのリーダーシップを発揮するのではなく、個人個人全員が発揮していくのである。高校卒業後、RSの直接的なかかわりはなくなるが、それはRSの世界の私立学校も同様である。したがって、RSのメンバー校の卒業生は、今度は学校から離れ、1人ひとりの持ち場で、何かあったら、交流ができるようになる。

それぞれが、一見目の前の問題解決に挑むわけであるが、IDEALSの理念を共有した世界の仲間が協力したとき、その問題解決は、一挙に世界の問題を解決することにつながる可能性があるのだ。

英語教育、語学研修、留学のような枠を超えて、世界の問題を解決するための理念の共有というグローバルな規模の交流の新たな場が、RSであり、そこを八雲学園はグローバル教育の拠点とするのだ。

ケイトスクールとの交流はどうなるのかと問われるかもしれない。実はケイトスクールもRSの加盟校である。したがって、ケイトスクールとの交流も、RSの広がりのある交流へとシフトしていく。より深い絆ができていくだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アサンプション国際小学校 魅力的PBL型授業へ

2018年1月5日(金)、アサンプション国際小学校は、2018年度の経営戦略と教育の質向上のための研修を行った。小学校の募集はすでに終わり、21世紀型教育改革2年目も多くの受験生が同校受験に挑戦した。アドミッションポリシーに賛同する家庭がどんどん増え続けているのである。

そこで、改革2 年目を迎えるにあたり、同校副理事長・学院長高橋博先生と理事・校長武井明比古先生は、さらに魅力的なPBL型授業を受験生・保護者そして在学生・保護者と<共感・共有>できるように全教員と一丸となって取り組むことを確認した。by 本間勇人 私立学校研究家

(高橋学院長は、生徒が日々学ぶことが楽しいと感じる魅力的なPBL型授業、創造的思考をフル回転し、感動という共感を得られるプレゼンテーションができる教育の重要性を提唱。生徒募集は、授業と学校生活という教育の質で成功させ続ける本質的な私立学校の経営論と教育論を語った。)

高橋学院長の新しい年を迎えるためのスピーチの後、PBL型授業についてのワークショップによる研修が行われた。静かに耳を傾け、内なる灯をともしたので、それを情熱の火として共に燃やし続けるために。

最初はまずやってみようという挑戦。「いいねGrowth Mindset」というアクティビティ。お互い目を見つめ合いながら、相互に受け入れることの大切さ身体感覚で共有する。互いに「いいね」と声をかけながら、最後は大きくジャンプする。

今回の研修には、武井校長先生も、フルに参加。天まで届くかのように、大きくジャンプした。小学校の教師は、校長であっても、いや校長だからこそなのかもしれにが、身体を使って学ぶ楽しさを子供と共有していくという姿のすばらしさを感じる一場面でもあった。

このアクティビティは、プレイフルラーニングの開発者上田信行教授による。3年前21世紀型教育改革のシンポジウムが大阪で開催されたが、それ以来、上田教授にはPBL型授業のアドバイスを頂いている。

そして、さっそくアサンプション国際のPBL型授業についてワークショップが行われた。今回はPBL型授業を「新しい評価をいかに作っていくのか」という切り口から検証していった。現状の学習指導要領から新学習指導要領に移行した時に、評価の観点や方法のどこが変わるのかを確認し、その変わる領域について、まだまだモデルが世の中に出回っていないため、自分たちで創っていこうというワークショップだった。

もっとも、私立小学校であるから、学習指導要領を参考にしながらも、独自のPBL型授業をデザインしていかなければならいないし、そのデザインは、建学の精神から派出した評価のフレームに沿うものでなければならない。

つまり、コンテンツベースの評価からコンテンツとスキルの両方をみる評価にシフトするわけだが、そのスキルベースの評価については、建学の精神に基づいた学習者像を支えるものでなければならないのである。したがって、スキルとは何かについては、アサンプション国際小学校独自のものを創発する以外にない。そして、その創意工夫をする教師の姿こそ、子供たちに大きな好影響を与える。

たしかに、学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び」ということになっているが、現場で、きっちりクリティカルでクリエイティブな思考を育成するかどうかは、結局教員次第なのである。しかし、アサンプション国際は、そこまで生徒と取り組むというフレームが、建学の精神によってマインドセットされるから、全教員が共有して取り組む必要がある。

したがって、アサンプション国際をはじめ私立学校では、あえてこう表現しなければならない。一握りの心ある教員次第なのではなく、全教員次第なのだと。新しい年を迎える同校の研修は、覚悟を共有する研修でもあった。この気概が、最高善に基ずく教育をわが子に求める家庭に響かないはずがない。

 

 

聖徳学園 国際協力プロジェクトの活動

11月9日、そして14日、15日と3日間にかけて聖徳学園で国際協力プロジェクトの中間報告が行われました。このプロジェクトは、JICAの青年海外協力隊のサポートを受けながら聖徳学園の高校2年生が1年間かけて国際協力を行っていく学習です。今年は、ルワンダ、ミクロネシア、タイ、スーダン、モザンビーク、インドネシアについて、年度末の成果報告を目指し各クラスがリサーチを行っていました。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

私が見学したのは、インドネシアを担当するクラスのプレゼンテーションです。5名ほどで構成されたチームが、インドネシアの現状をどのように捉え、そこから何を学び、何を届けようとするのかを5分間で発表します。

チームによって発表のスタイルは様々。審査員でもある校長先生に質問をぶつけてくる元気なプレゼンターもいれば、感情を抑えたトーンでインドネシアの貧困を切実に語りかけるプレゼンターもいます。スタイルが様々であっても共通しているのは「何かの役に立ちたい」という思いです。

インドネシアであれどの国であれ、基本データなどはインターネットでいくらでも集めることができます。しかしこのプロジェクトでは単なるリサーチにとどまらず、その国が抱えている問題に目を向け、同じ地球市民としてどんな協力ができるのか、またその意識をどのような行動につなげるのかというゴール設定をしているところに特徴があります。

それぞれの国が抱えている「問題」というのは、あくまでも主観というフィルターを通したものです。地域や個人によっても問題の捉え方は異なります。生徒たちは、各チームのプレゼンテーションを見て、あるいは青年海外協力隊など外部の人のフィードバックを得ながら、自分たちの問題の捉え方をリフレクションしていきます。

このプロジェクトを推進する山名先生が中間発表という場を設け、そこにこだわるのは、他者の目を通したリフレクションを体験させたいという意味があるからでしょう。プレゼンテーションの前に昼食会を設けたり、プレゼンテーションの後に学校関係者以外の人にコメントをもらう場を作ることで、生徒に外部評価というものを意識させているわけです。

ステレオタイプな見方でその国を捉えるような国際協力はかえって先進国の独善になってしまうことは、青年海外協力隊の実体験を取材することで生徒たちは学習済みです。自分達の問題の捉え方をクリティカルに考える習慣は、海外の人たちと協働していく際に必ず役立つスキルとなります。

それにしても山名先生は、プロジェクトのコーディネーターとして青年海外協力隊という外部のエキスパートとうまく役割分担をしていました。生徒たちが前向きに取り組めるようにちょっとした励ましの言葉をかけたり、時間にルーズになっているグループには、あえて順番を後回しにするなど、「仕切る」ところでは緩急自在に生徒たちをリードします。

そんなリードに助けられる面もあって、生徒たちはみな伸びやかな雰囲気で発表しています。高校生のプレゼンテーションでは、この明るさがベースにあることが大切です。チームで協力する力があるからこそ国際協力も可能になるのです。

貧困などの原因を突き詰めていけば、個々の原因に共通する構造的な問題が浮かび上がってきます。今回のインドネシアチームは、他の国を担当するチームのプレゼンテーションを見て、その問題が、実は国内にも同じように横たわっていることを見抜いていくはずです。貧困に限らず、様々な問題に同様の構造があることを理解するためには、このような横断的な学びが必要になるわけです。

こういった横断的なプロジェクト学習が可能になるのは、聖徳学園という学校全体がプロジェクト学習を進めていることに関係しています。

校長の伊藤先生は、いくつもの新規プロジェクトを外部と連携しながら進めています。それぞれのプロジェクトに推進役を立てて、見事に指揮を振っているのです。聖徳学園の生徒たちがプロジェクト学習における様々なスキルを習得するのは、こういう学校文化が働いているからなのでしょう。

工学院 英語はプラクティカルに

これからの英語教育において、4技能英語、PBL、ICTは、いずれも欠かせない要素。しかし、一方で知識や文法軽視の短絡的な発想も広まっている。そしてまた相変わらず、まず知識や文法を学ぶことが基礎学力だという昔ながらの短絡的な発想も根強い。

工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」と表記)の英語科主任田中歩先生は、生徒が英語を使う環境に置かれたときに、どのように英語を使ってコミュニケーションするのか、その実際的な場を授業ではマインドセットしているため、そのような2つの短絡的発想は、工学院の英語科では、そもそもないと語る。by 本間勇人 私立が校研究家

文法で、よくある授業風景は、たとえば、能動態を受動態に書き換えるトレーニング授業。多くの英語の授業で、機械的に書き換える演習問題をこなしていくシーンは、筆者自身も遠い昔中学時代に体験済みだ。

しかしながら、工学院の英語科は、この文法授業を行う際も、そうはならない。というのも同校の英語科がシェアしている英語教育方法論はCLILであるからである。CLILは、Content and Language Integrated Learningの頭文字で構成された呼び名で、クリルと呼ばれている。イギリスをはじめ、ヨーロッパで広がっている方法論。田中先生は、一般財団法人日本私学教育研究所が主催している外国語教育改革部会の研修の特別委員でもあり、ブリティッシュ・カウンシル、上智大学 国際言語情報研究所などのリサーチの成果であるCLILを学び、工学院英語科でシェアしている。

そして、同校が採用している英語のテキストは、Cambridge「Uncover」で、これはCEFR基準を明確に意識して、CLILの方法論に即して構成されている。したがって、英語を活用している臨場感のあるシーンを足場として、実用的にコミュニケーションする授業となる。教師も生徒もプラクティカルウィズダム(実用知)が発動するようなテキストなのである。

だから、機械的に能動態と受動態を書き換える作業をしていると、“Look at that window! Ken broke it.”などという実際のコミュニケーションでは使わない表現をしてしまいがちだが、そうならないのが、工学院の英語科の授業なのだ。

 

田中先生によると、

「能動態と受動態の書き換えトレーニングをやるよりも、両者にはどんな違いがあるのかを生徒と考えます。言葉は生き物ですから、表現が違えば、ざっくりとした意味は同じかもしれませんが、ほかに伝えたい何かがあります。ですから、そもそも違うわけです。その違いは生徒とリフレクションします。英語だけではなく、日本語も感情やニュアンス、暗示など意味以外に伝えたい情報の複雑系が実際のコミュニケーションです。
 
能動態と受動態では、主語が違いますから、語順が入れ替わります。すると、それは、送り手が強調したいことが変わるからだということは生徒たちはすぐに気づきます。先ほどの例文などのように、いろいろなシチュエーションで英語を使っていくと、情報が既知か未知かなどにも気づいていきますが、このへんまでくると、すんなりはいかないので、生徒の反応を見ながらアプローチを変えていきます。
 
 
dialogue形式で2つの態を聞かせてモヤ感を作ったり(1人で2役やります)します。 当然、会話なので 能動態→主語にspot 受動態→モノや受け手にspotといったことを意識して対話ができるようになれば、実際に使われる状態が見えます。
 
単純な能動態と受動態の書き換えではゴールは見えませんから、“People made the wall of bottles.” と“ The wall was made of bottles.”の2文を例に挙げて、伝わり方の違いを議論することもあいます。正解にたどりつくことが目的ではなく、その違いを想像したり、予測したりすることこそ、実際のコミュニケーションで行われていることだと思います。
 
このような、議論をしたあとに、“Soccer is played by 11 players.”をあえて、機械的に“11 players play soccer.”と書き換えてみて、何が違うのかと問うと、おかしい!とピンとくる生徒も多くなります。自分たちも受けてきた、書き換えばかりで定着させようとする授業では、このような違いには着目しないので、プラクティカル(practical)ではありません。
 
 
CLILはこういう実際的な環境を設定するということにこだわりますが、もう少し深く考えるコンテンツも大切にしています。授業は、実はここからが醍醐味です。このあたりでPBLにいよいよシフトしていくわけです。テーマについて受動態の文を使ったライティングをグループ作業でおこなうというのもありますが、私が最近行っているのは、プロダクトベースのPBLです。
 
何かの製品を考えて説明させるアクティビティを入れます。たとえば、家というテーマは身近でもあり、どこまでも深く議論していけます。絵をデザインし、英語でプレゼンをしていくのですが、“This house has a solar panel. The heat from the sun is used to give power to the house.”というように、受動態のおまけで不定詞もコラボできてしまいます、
 
 
LEGOも使います。ツールはとにかくたくさんあります。実際のコミュニケーションは、周りにあるものはなんでツールとして使うので、多様なものを活用するのがCLILの特徴です。」
 
田中先生の話を聞いていると、工学院の英語教育は、このような生徒のプラクティカルウィズダムを英語で鍛えているということがよくわかる。実際の状況に置き換え、戻していくことでdebateやnegotiationという特別な場面だけでなく、日常のコミュニケーションの中でも、Critical thinkingを活用できるようになる。田中先生のプロダクトにつながっていく英語の授業では、Creativityの能力を生み出すきっかけにもなっている。
 
田中先生は、「文法は、日本の英語教育の固有の特徴だというのは幻想です。イギリスでもアメリカでも行います。ただ、プラクティカルなCLILのような方法で行っています。そもそも文章の骨組みですから、家を建てるときに設計図や骨組みを考えるのと同じです。生徒は、文法を通して、実はデザイン思考も豊かにしていけると信じています」と語ってくれた。

 

 

 

アサンプション国際中高 PBLの原理に迫る

アサンプション国際中高のPBL型授業への取り組みは、日々進化/深化している。未来プロジェクトチームの先生方は、授業のリサーチを開始している。授業を実施しながら、要所要所で動画を撮影し、それを自分でモニタリングして、それをミーティングでシェアしていく。その過程で、プログラムデザインの意味や生徒の反応を議論し、さらにPBLの究極の原理であるコペルニクス的転回をどこに挿入するか創発対話を行っていく。by 本間勇人 私立学校研究家

数学の三歩一先生は、実際にドーナツを持参し、解体してトーラス図形の体積を生徒といっしょに考える。どうやって体積を出すか生徒の議論は創発的。中学の単元が高校の積分につながっていくように仕組まれている。

コペルニクス的転回とは、カントやトマス・クーン、あるいはニュートンのプリンキピアにあるような知的かつ感性的驚愕構造。究極のPBL原理で、この原理からAとBの多様な関係態が広がっていく。プロジェクトチームでは、この関係態を今のところ5つ発見している(企業秘密^^)。

紅谷先生は、高3の授業で、平塚雷鳥の論考を読解していたかと思ったら、おもむろにジェンダー指数のデータ集を取り出し、チームでディスカッションにシフト。平塚雷鳥のコンテンツにこだわり続けるのではなく、創発を生み出すすPBL原理の思考スキルを活用する学びに転換。

平塚雷鳥の発想が、まだまだ生きていることに逆に気づく。思考とはズレであり、表現とはそれを発見した時のサプライズをインパクトある表現と化する。わかりやすいとは、易しく表現することではない。衝撃を共感できるかどうかがカギ。

廣田先生の英語の授業は、悩める思考実験の問題でも、軽やかにスルー出来る教科書でも、驚きが生まれる仕掛けを埋め込んでいる。難しがろうか易しがろうか、立ち止まる瞬間を大切にしている。そこに学びの真実が宿っていることを生徒が実感する授業。

篠原先生の英語の授業は、とにかくインパクトがある。特にスキットとして英語でプレゼンするシーンは、感動的。発音、イントネーション、静音の効果、ジェスチャー、ニュアンスなど、言葉が、今ここでそこに呼び覚まし、映し出すシーンは、臨場感がある。感情教育にもつながるPBL型授業。

PBL型授業は、生徒の多様な能力や才能を引き出す空間であるが、その空間が広がったとき、そこにようやく人生の真実が灯る

PBLの原理、まだまだあと5つくらい見つかるだろう。でも当面、それはアサンプション国際の奥義となる。

 

 

 

 

 

 

順天 新しいキャリアデザインへ

順天中学校・順天高等学校(以降「順天」)のカリキュラムは、系統学習、探究学習、統合学習の3つが6年間有機的に結びついて織りなされている。このカリキュラムを基礎に、高校からはSGH(スーパーグローバルハイスクール)のプログラムが展開される。

そして、そのカリキュラムの実践の中心は、PBL型の授業で、正解が1つではない問題についても、教師と生徒、生徒と生徒が対話しながら思考を深めていく。この正解が1つではない問いかけは、学力を高めていくとともに、自分とは何か、自分と世界はどうかかわっているのか、互いに世界の痛みを共感し、なんとかしようという意志を共有できるのか、世界にかかわる自分の存在意義や存在価値に気づくきっかけとなっている。

今年も、順天では、SGHのプログラムの一環として、59講座から成る“Global Week”が開催。講師は、大学の教授陣、起業家、メディアの編集者などで、多様で多角的な知を共に学び合うプログラム。そして、今回は、「JICA国際協力 高校生エッセイコンテスト2016」で文部科学省を受賞した、同校高3の柴田藍さんが、大学生でプロジェクトを形成している“Beyond School”とコラボして、「留学×キャリアワークショップ」を開催した。by 本間 勇人 私立学校研究家

(理軒館PBL1のスペースでは、立教大学経営学部経営学科教授 副総長 山口和範先生による「グローバル世界で求められる統計的思考力」の授業が行われた。)

この“Global Week”は、たんに大学の先生方による出張授業とは意味合いが異なる。順天校長長塚先生はこう語る。

 

「SGHのプログラムの一環である高大連携の活動です。SGHでは、PBLをベースに多角的視点及び国際的視野をもって探究活動を行っていますから、海外へのフィールドワークやこのような高大連携のプログラムを実現しているのです。探究ですから、正解は1つではないし、どこまでも広がり深まっていきます。

ですから、教師も生徒も共に学び合う機会になっています。これによって、互いに新たな関心領域に気づき、そこを探究していくきっかけを作ることができればと思っています。この探究活動から、自分という存在の意義や価値を知ることができるし、自分が他者と何ができるのか、世界に貢献できるのかなど自分の社会における役割を引き受けることにもなります。

大学を選択するとき、たんに偏差値やブランドで選ぶのではなく、自分の存在の意味や社会や世界に対する役割が意識されることによって、進むべき場としてその大学を選ぶということになればと期待しているのです。」

 

この長塚校長先生の考え方には、順天の3つのポリシーそのもの及び、新しいキャリアデザインの方法が映し出されている。今回の柴田藍さんと“Beyond Scool”のプロジェクトとのコラボレーションは、ある意味その象徴的な活動だった。

 

このワークショップは、柴田藍さんのプレゼンテーションから始まった。留学のきっかけ、留学によって先入観が砕かれたこと、ある確信を抱いたこと、自分の存在意義とそれをもとに自分が何に挑戦するのかある意味ミッションを引き受けたこと、そしてそれを実現する大学を見つけ、そこに進むという、セルフキャリアデザインのストーリーが見事に提示された。

柴田藍さんは、高2のときに「トビタテ!留学生JAPAN」の留学支援を受け、ロンドンに留学した。中学のころ父親が交通事故になって、障害を負い、職も失った。最初心身ともにダメージを受けていたが、パラリンピック出場に向け明るくリハビリに励み、再就職も果たした父親の姿を見て、あらゆる状況におかれている人間存在の意味に気づいたようだった。

そこで、ロンドン留学することを決め、ストーク・マンデビル病院に行き、そこのスタッフにインタビューをした。そこはパラリンピックの発祥地である。その病院に隣接するスタジアムで子供から年配者まで健常者と障がい者が設備を共有している姿に出遭った。日本ではない光景に、強烈な印象を受け、世界の障がい者のことについて調べることになった。

そして、障がい者の80%が開発途上国にいることを知った。最初、貧困、教育格差、医療不足と障がい者が多いということが結びつかなかったが、高3の夏ラオスに行って、「戦争」が原因であることを思い知った。地雷の撤去がまだ終わっていないために、地雷を踏んだりして障がい者になってしまうのである。

柴田藍さんは、パラリンピックの意味が世界平和に直結する意味を身に染みてわかったということである。そこから柴田藍さんは、開発途上国で、パラリンピックを開けないものか考えるようになった。開発途上国で障害を被った人々に希望を生み出すことができるかもしれないし、経済発展にもつながるのではないかと。

パラリンピックをはじめ、スポーツによって世界平和に貢献するために学ぶために大学に行こうと、柴田藍さんは意思決定したということである。

彼女のセルフキャリデザインへのメッセージは「“好き”に向かい合ってみませんか?」である。自分が関心をもったもの、それは実は愛と同義語だが、それに正面から純粋に真摯に向き合ったとき自ずと自分の進む道が開けるという彼女自身の実感から流れでた言葉だろう。

柴田藍さんのプレゼンの後、10人の大学生とともに、自分の進路について考えるワークショップが行われた。10人の大学生は、それぞれ世界各国に留学し、柴田藍さんと同じように自分を見つめ、多くの人と共有すべき何ものかを見出し、自分の道を開いた体験者ばかり。今回のキャリアデザインのワークショップでは、このような大学生ロールモデルと対話することで、在校生は、それぞれ自分を見つめるきっかけになったことだろう。

(理軒館地下1階Labo2のスペースでは、朝日新聞社編集委員の石飛徳樹先生による授業が行われていた。)

“Global Week”では、様々なテーマで講座が開かれている。朝日新聞社編集委員の石飛徳樹先生による「より面白く映画を見るために」というテーマもたいへん興味深かった。ある映画作品を実際に見ながら、その編集の仕掛けを分析していったりしていた。

(理軒館地下1階Labo1のスペースでは、東京理科大学経営学部経営学科教授佐々木隆文先生による授業が行われていた。)

東京理科大学経営学部経営学科教授佐々木隆文先生による「企業の目的とコーポレートガバナンス」も、現代社会や政治経済などの高校の教科書では学べないリアルな問題が問いかけられていた。教科書では、企業は利益を生み出すものであると語られはするが、実際の経済社会では、その逆が行われている場合もあるという経済成長のパラドクスを考えていくまさに正解が1つではない授業。

(新江梨佳先生の授業のテーマは「コミュニケーション能力を問い直そう」)

順天SGH支援員である東京大学教育学研究科修士課程の新江梨桂先生は、授業や生活において人間の存在を形成するベースであるコミュニケーション能力を問い直すワークショップを展開していた。

見学したその日は、14:30から16:00まで、13講座が同時開催されていた。どのテーマも興味深いものだった。その多様性は、高校生1人ひとりに、それぞれの「“好き”に向かい合ってみませんか?」という柴田藍さんのメッセージを届けたに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

富士見丘 クラウドを活用した先進的PBL授業

富士見丘は、SGH(スーパーグローバルハイスクール)認定校として3年目を迎える。その成果は、文部科学省の高い中間評価に顕著にあらわれている。今回は、対象校56校の1つとして評価が実施され、その結果が2017年9月29日に公表された。

6段階評価の上から2番目という高い評価。つまり、「これまでの努力を継続することによって、研究開発のねらいの達成が可能と判断される」というもので、東日本地区の私立校では、同校だけという高い評価だったのである。すなわち、東日本№.1のSGH私立校といえる。 by 本間勇人 私立学校研究家

この同校のSGHの教育活動は、日本の教育現場から見ると破格すぎて、従来の受験市場では、どう評価してよいのか認識するのか難しい。太陽を直接見ることができないように、同校の教育エネルギーがあまりにも熱すぎて、目を背けてしまいがちだ。

ところが、グローバルな世界からみると、日本にも、自分たちの子弟を入学させる環境が充実している学校があるではないかと歓迎される。

 

  • 少人数であり、全学年にPBL型授業が浸透していること。PBLを実現するには、外部との連携が重要であるため、慶応大学、上智大学、武蔵野美術大学、日本女子大との高大連携も実施されている。
  • C1レベルの英語の環境があり、それが模擬国連などで外部活動のネットワークを広げていること。
  • ICTが整い、グーグルフォームやマイクロソフトシェアポイントを活用して学習ポートフォリオをクラウド上で共有できること。
  • 留学や海外研修の機会が破格に多いこと。
  • 教員間のコミュニケーションが学習する組織を形成していること。教師と生徒のコミュニケーションがNVC(Nonviolent Communication)であること。

 

以上の5点が揃っている学校は、抑圧的で縦社会の学校文化を前提にしている今日の日本では希少価値がある。それゆえ、今まで理解されるのも難しかった。

しかし、デジタルネイティブで、フェア、フラット、フリーダムという3Fを価値観としてもつ子供が増えてきたために、そのような子供の中で、グローバルな真のエリートとして気概のある生徒は、富士見丘を注目しはじめた。

高校で帰国生が増えているのは、その証拠であり、中学でICTを使ったプレSGHプログラムの学びを「楽しい!表現したい!」と語るのも、その証拠であろう。

どの学年も、学校に準備されているタブレットを活用してPBL型授業をしているのだが、、今年の中学1年は、タブレットPCを1人1台所有して、授業に臨むようになった。

たとえば、その中1の家庭科の授業では、タブレットPCを活用して、調べるだけではなく、「骨密度測定」というデータサイエンスの接近までしている。これが可能なのは、なんといっても、日本女子大とコラボできる高大連携型のPBL授業がベースにあるからだ。

大学と連携することで、実際に自分たちの骨量などを測定できる。知識としての骨密度ではなく、自分自身の身体の健康維持をしていくことがいかに大切か実感を抱けるし、同校のSGHのキーワードでもある「サスティナビリティ」にも関連する探究ができる。

というのも、骨密度を基準値にもっていくためには、栄養学的探究が必要になってくるからだ。つまり、食べ物と水や二酸化炭素などの自然環境とのつながりを意識し、自分が健康であることが、実は自然環境の好循環に関係しているということが実感できるようになるからである。

このような重大な自然と命の関係の探究を、タブレットPCでマイクロソフトのSharePointというアプリを活用することで促進していく。

つまり、たとえば、自動計算できる成分表を美濃部先生がエクセルで作成し、SharePointで一気に共有する。生徒はダウンロードして、作成し、再び、投稿して、美濃部先生に送ることができる。

この過程は、個人ワーク→シェア→リフレクション→再編成→探究というプロセス循環をスムーズにし、今までの授業で費やしていた時間を短縮できる。そのことによって考える時間が生まれるというわけだ。

そして、このリフレクションの作業と再編集という作業に、富士見丘がグローバル高大接続教育で最も大切にしているアカデミックスキルを鍛える機会が埋め込まれている。

そのアカデミックスキルとは、ロジカルシンキングとクリティカルシンキング、そしてクリエイティブシンキングである。2020年以降の大学入試改革には当然対応できるし、何よりも海外大学進学準備として絶対に必要な思考のスキルなのである。

12月17日(日) 「第1回21世紀型教育機構千葉カンファレンス」開催

2017年12月17日(日)、「第1回21世紀型教育機構千葉カンファレンス」を開催いたします。

 

お申し込みは、終了いたしました。年末のご多忙の時にもかかわらず、多くの方のご参加、心から感謝申し上げます。

 21世紀になり、4半世紀を迎えようとしています。そこに向けて、時代は、政治、経済、社会、文化、国際関係、さらに人々の価値観や人間関係などに至るまで、私たちを取り巻く社会環境のあらゆる局面にわたって予測不能なほど激しく大きなパラダイム転換が起きています。
 
 その転換のテコが、ICT、特にAIというイノベーション隆盛によるものであることも明らかになってきました。生命システム、環境システム、ものづくり生産システム、消費システム、エネルギーシステム、人間の在り方そのものが21世紀システムとして大変貌しているのです。
 
 その中で、今日、高大の教育システムの転換が遅れに遅れていることは火を見るより明らかです。このままでは、あらゆる領域で転換する21世紀システムの人材を育成することができません。
 
 そこで、21世紀型教育機構は、2011年以降からいち早く、21世紀教育システムを研究開発し、実践してきました。そして、その成果が早くも生まれ始めています。2020年大学入試改革は、入試問題制度の変更ではなく、地球規模の全体のパラダイム転換への突破口であるはずですが、20世紀システムのしがらみから解放されるにはしばらく時間がかかりそうです。
 
 そのため、時代は、私立学校に、先頭に立って、20世紀教育システムを創造的に破壊し、21世紀型教育を構築する使命を求めています。21世紀型教育とはいかに組み立てることができるのか?このままパラダイム転換の波に追いかけられ、飲み込まれる道を選ぶのか、パラダイム転換を創出する道を選ぶのか?
 
 2018年以降急激に12歳人口は減少します。その減り方は尋常ではないでしょう。この危機と恐怖を希望に変えるために、21世紀型教育を考える機会をぜひ共有したいと思います。
 
 

 

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