会員校別記事一覧

静岡聖光学院 未来を創るNew Power School(1)

昨年、静岡聖光学院は、21世紀型教育機構に加盟したばかりですが、2年目にはいった今年、一気呵成に、あらゆる側面、領域で21世紀型教育を開発実施しています。毎年実施しているアクレディテーションスコア(本機構で実施している21世紀型教育の品質保証調査)は、前年対比113.3%で、大きく進化しています。

その進化ぶりは、New Power School出現というウネリとなって、静岡を日本を世界を席巻しそうな勢いです。今年の静岡聖光学院の活動を簡単に振り返りながら、New Power Schoolの出現の潮流とは何か考えていきましょう。「簡単に」といわざるを得ないのは、世界を席巻するぐらいですから、あまりにも情報量が膨大だからです。by 本間勇人 私立学校研究家

 

<静岡聖光学院のNew Power誕生を象徴しているシーンです。写真は、同校サイトから。キャプションにはこうあります。「この写真は聖光祭準備時に、生徒達があまりの綺麗さに思わず撮った写真を譲ってもらいました(加工は一切してないとのこと)。景色が美しく感じるというのは、心が美しさ・癒しを求めているということ。彼らの成長に欠かせないものが学校教育にもこの景色にも静岡には確かにあると感じております。」>

Wayo Kudan Girls’ Innovative Breakthrough - STEAM-style PBL

Wayo Kudan Girls Junior and Senior High School (Wayo Kudan Girls’ hereafter) is now into their second year of implementing the 21st CEO method. They plan to make this innovation happen as soon as possible. According to Principal Nakagome (中込校長), the discovery of this innovation is due to the positive outcome of the PBL (problem based learning) challenge. Including the preparatory phase, it has been three years so far. 
 
The main feature of these 21st CEO schools is that all classes are implementing the PBL type of lessons where every student in Junior year 1 to Senior year 1 will have their own tablet to use. By 2020, all school years will have this kind of learning environment. The teachers have worked together as a group in this environment. As a result of this joint effort, the innovation has led to the idea that by only changing the trigger question in PBL, the power of rapid learning can be created.
 
However, there is no doubt that the update of this trigger question is a new obstacle but the teachers are prepared to overcome this challenge.
 
By Hayato Honma, Private School Expert Researcher

聖学院 最高の授業(了)

聖学院のPBL型授業の特徴は多様な要素、多角的な切り口で語ることができますが、なんといいても「マインドセット」と「信頼」がキーコンセプトなのかもしれません。マインドセットとは、毎時間の授業で行うのです。よく自己肯定感が高いとか低いとか話題になりますが、それはほとんど内面の状況の話で、成績が高いから自己肯定感が高いとか、内向的だから自己肯定感が低いというコトはありません。

ほとんどが、人と人との関係が開かれるか閉じられるかで、自己肯定感の高い低いが決まっていると思います。したがって、自己肯定感の高い低いは、一期一会ではないですが、人と出会う瞬間瞬間にあがるかさがるか激しいのです。特に思春期の時にはそうでしょう。一日の学園生活のなかで、毎時間の授業で出会う教師や仲間とのやりとりで、一喜一憂するものです。

ですから、聖学院では、毎時間の授業で、教師は互いに心を開示できるマインドセットをしていきます。

聖学院 最高の授業(3)

日野田先生の高2の社会の授業。はじめは、PIL(生徒同士の対話を活用しながら講義をしていく)手法。たとえば、国民総生産に関連する知識の整理をしつつ、成長の概念など、ものの見方考え方の基準に関するものについては、PIL手法で展開していきます。
 
基礎知識は教えるが、ものの見方考え方の基準については対話という機会を設定。また、講義や対話のトリガーは、図、グラフ、写真・・・など多様なドキュメントやデータを活用。講義、問応法、PILのコンビネーションは巧みで、これだけで50分授業が成立しても構わないぐらいです。
 
 

聖学院 最高の授業(2)

伊藤大輔先生の高2の英語の授業。この学年は、最後のセンター試験世代。それゆえ、ミニテストをまず返却して、スコアの分布などデータ分析をきちんとして、それぞれの生徒のポジショニングを明快にしていきます。受験に向けてのマインドセットがきっちりしているのです。
 
しかしながら、同校が推進している21世紀型教育の新たな改革の波は、最後のセンター試験世代にも及んでいました。グーグルクラスルームを活用して、反転学習が導入されていたのす。だから、きっちりデータベース戦術で知識のマネジメントができていたのは新鮮でした。
 
 

聖学院 最高の授業(1)

21世紀型教育機構は、グローバル教育3.0のステージに向かって、学内外のネットワークを広げ、グローバルイマージョンの環境を学校でつくっています。聖学院も、タイ研修という生徒が自己開示し、他者の痛みを感じ世界精神を自ら生み出す規格外の教育を実施しています。また、都市デザインや東京パラリンピック支援、はちみつをつくりその利益を寄付する起業プロジェクトなど、多様な実践的教育を行っています。

入試においては、生徒の才能に応じた多様な思考力入試を開発・実施し、NHKや静岡放送など多くのメディアでも取りあげられています。

しかし、他の学校と大きく違うのは、このような規格外の教育活動が、日々の授業と結びついているというコトです。ふだんの授業がPBL形式で進行するため、一時間一時間の授業が、生徒自身にとって特別で新鮮です。いつも自分にとって特別な時間が待っている最高の授業が聖学院では行われています。by 本間勇人 私立学校研究家

(聖学院は2カ月に1度くらいの割合で、有志の先生が集まって、授業デザインの勉強会を行っています。PBL型のワークショップ形式で進み、静岡聖光学院の先生方や東大の研究者も参加しています。仕掛け人は、21教育企画部長児浦先生。)

聖徳学園 グローバル × PBL × ICT

聖徳学園は「国際協力プロジェクト」という授業を高2生全員が年間を通じて行っています。グローバル教育センター長の山名和樹先生がJICA職員や大学の先生など外部の専門家と協力しながら育ててきた聖徳学園独自のPBLです。今年もその中間報告会があるというので見学してきました。 by 鈴木裕之:海外帰国生教育研究家

和洋九段女子の新機軸 STEAM型PBL

和洋九段女子中学校・和洋九段女子高等学校(以降「和洋九段女子」と表記)は、21世紀型教育本格実施2年目で、はやくも新機軸を構想することになりました。この新機軸の発見は、準備期間も入れて3年間のPBLへの挑戦の成果でもあると中込校長先生は語ります。

同校の大きな特徴は、中学1年から高校1年生まで、生徒1人1台タブレットを活用するPBL(Problem based Learning)型授業が、すべてのクラスで実施されていることです。2020年には、全学年がこの環境になります。このような環境を教師一丸となって取り組んできたことにより、新機軸は、PBLのトリガークエスチョンを変えるアイデアだけで、飛躍的な学びのパワーを生み出すことになります。

もっとも、このトリガークエスチョンのアップデートこそが新たな難関であることは間違いないのですが、先生方はある大きな覚悟をもってその難関に挑んでいきます。

by 本間勇人 私立学校研究家

Mita International is a School of Miracles. One that has never been seen before

On Saturday 29th September, Mita International Gakuen Junior and Senior High School (Mita International hereafter), held their Open Day. They are the only Apple Distinguished School (400 schools worldwide) in the Kanto region and they have published practical ICT classes for teachers to use across the country. 
 
The classes use iTunesU, a system that integrates virtual and real learning spaces. This enables all teachers and all students to develop their creative thinking skills in any subject during the classes. These lessons that use devices that enhance originality and creativity are now in full operation. 
 
Teachers traveled from across the country to participate in this event and they were all amazed. Until now, they had never seen a school use iPads and MacBooks to create tables, graphs, and essays, to contribute during class discussions. 
 
By using programming, we can make Sphero move like the droids in Star Wars. It was as though a purple flash was being emitted whilst moving, and as if magic was being used. 
 
At the subcommittee meeting, discussions were held about what can be done to enhance learning. This growth mindset has attracted a lot of attention to Mita International because there is an overlap between our mindset and our students’ mindset. 
 
by Hayato Honma, Private School Expert Researcher

工学院 創造的緊張感を持続する組織(2)

工学院は、「挑戦・創造・貢献」を理念としています。この根本には「自由」があります。自由が前提だからこそ「挑戦・創造・貢献」が可能なのです。エントランスホールには「真理は自由にす」というグローバル精神が刻印されているぐらいです。

「自由」。もちろん、「自律」と表裏一体ですから、個人主義とは違います。「貢献」という理念がそれを支えています。さて、この意味での「自由」が、授業の中にも反映されているために、正解が1つでない問いが中心となる創造型PBL授業ができるわけです。つまり、「真理が自由にす」という自由が文化遺伝子としてあったからこそ21世紀型教育にも踏み出せたのでしょう。

工学院 創造的緊張感を持続する組織(1)

工学院大学附属中学校・高等学校(以降「工学院」と表記)は、八王子という私立中高一貫校志望者が23区に比べかなり少ないエリアにあります。もともと日本の私立中高一貫校に進学する割合は、全国の同年齢人口の7%。一般には公立中学と私立中学の選択を考える家庭は少ないのです。

一方東京の23区は、区によっては20%近く進学を考える層がいる私立中学受験王国です。ところが、八王子エリアはというと、同じ東京都にありながら、全国レベル。東京における私立学校の経営としては、極めて不利な困難を極める立地条件です。

それがゆえに、このエリアでサバイブするために、先生方はイノベーティブな教育活動を徹底しています。by 本間勇人 私立学校研究家

(中学の理科の授業、Fab Labも備えた図書館で創造型PBL授業。工学院のPBL授業のプロトタイプ。)

三田国際は魔法学校。 今まで誰も見たことのない一条校。

9月29日(土)、三田国際学園中学校・高等学校(以降「三田国際」と表記)は、Open Dayを開催しました。関東圏の中高一貫校で唯一のApple Distinguished School(全世界400校)として、尖ったICTの活用をした授業を、全国の教員対象に公開したのです。

同学園は、iTunesUというバーチャルとリアルな学びの場を統合するシステムを活用して、創造的な思考力を養う授業を、すべての教科で、すべての教師が、すべての生徒が展開しています。その創意工夫に満ちた多様な授業が全開されました。

全国から参加した教師は、みなその様子に驚愕。IPadやMacBookを手に、表やグラフやエッセイを作成しながらディスカッションしている様子は、もはや今まで見たことがない学校だったからです。
 

プログラミングで、スフィロは、スターウォーズで登場するドロイドよろしく動いていました。紫の閃光を放ちながら動かしている様子は、あたかも魔法を使っているかのようでした。分科会で、ディスカッションも交えてのリフレクションに、自分たちはどうすればできるのか、自分たちももしかしたらできるのではないかというGrowth Mindsetされていく姿は、三田国際に魅力を感じて入学してくる生徒の様子に重なっていたのです。by 本間勇人 私立学校研究家

聖徳学園 創立90周年を起点に教育の質向上へ(2)

今回、夏期教員研修のプログラムの中で見学したのは、上智大学言語教育センター教授藤田保先生による「2020大学入試改革・これからの英語教育と教科間連携について」です。藤田教授は、言語学、バイリンガル教育の研究をされていますが、今回の改訂学習指導要領にもかかわっており、小学校の英語教科化の方法や実践など英語教育についても研究しています。

特に上智大学で行われているCLILという新しい英語教育の研究・開発・提唱者でもあり、CLILが小学校・中学校の現場に広がる契機もつくっています。

(13号館ラーニングコモンズにて)

聖徳学園 創立90周年を起点に教育の質向上へ(1)

昨年2017年、聖徳学園は創立90周年を迎え、その記念事業の一環として、21世紀型教育の多様な学びの空間を備えた13号館を新しく建設しました。1階は、オープンでのびのびとした雰囲気のラーニングコモンズで、ICTを活用したSTEAM教育をベースとしてPBL活動ができるようになっています。

各フロアーも、Active Learning Roomを初め、300人程度を収容でき、軽スポーツも可能な多目的ホール、音楽室、美術・技術室、物理実験室、Global教育のための演習室など充実した学びの空間が設けられています。動画の作成・編集のためのスタジオ、本格的な茶室「幽玄庵」もあり、多様な文化活動を行える学びの場が広がっています。

静岡聖光学院 新キャンパス 9月完成 シンポジウムで見学

2018年9月2日(日)、静岡聖光学院で、「第2回21世紀型教育機構静岡シンポジウム」が開催されます。同校は、今年創立50周年を迎え、グローバル教育、PBL型授業など教育全般のイノベーションを行い、キャンパスのリニューアルも行っています。昨年から教育イノベーションは始まり、今年9月1日には、新しい教育空間は完成する予定です。

(完成イメージの予定図)

八雲学園のスーパービジョン

予測不能な時代がやってきたと昨今喧しいが、正解が1つでない不確実な時代の到来という意味では予測ができているとポジティブに考えるのが八雲学園である。
 
したがって、同学園のミッションは、そのような予測不能で不確実な時代にあっても、八雲生が、時代に翻弄されないタフな心身を身につけ、ポジティブな世界を創る精神を身につけ、世界の痛みを共有できる感性を身につけて羽ばたいていけるトータルな21世紀型教育を実践することである。 by 本間勇人 私立学校研究家
 
 

富士見丘 Global Immersionの挑戦

2日間に渡って、明海大学浦安キャンパスで、同大学ホスピタリティ・ツーリズム学部主催のサマースクールが行われている。オールイングリッシュでレクチャー、ディスカッション、グループワークなどのハードなアクティビティが行われる。

大学の講義やアクティブラーニングを丸ごと体験する。ハワイの観光について、マーケティングの切り口で学際的に研究するのである。イングリッシュイマージョンではなく、グローバルイマージョンそのものであるが、多くの中3と高1の富士見丘生が挑戦。1日目を取材した。by  本間勇人 私立学校研究家

(サマースクールは、明海大学浦安キャンパスの図書室で開催。講義スペースとグループワークスペースなどアクティヴィティごとに分かれている贅沢な環境)

21世紀型教育機構 新次元教育の挑戦(3)グローバル教育3.0

本機構が、21世紀型教育の実践をゴールにすることから、新次元へジャンプする跳躍台にシフトしたのには、時代の精神を読み解きながら、守るべきものは守り、変えるべきところは変えるという、理念と革新の両方の関係の最適化を試行錯誤してきた結果である。

【表1】

21世紀型教育機構 新次元教育の挑戦(2)生徒1人ひとりの価値

21世紀型教育機構にとって、生徒1人ひとりの価値を生み出す学校になることが新次元教育のゴールであるが、そのようなことはいかにした可能か?

最近では、アダプティブラーニングという学びやアダプティブリーダーという新しいリーダーシップについて語られることが多くなっており、実際にそのようなことが実践されている。

【図3】

21世紀型教育機構 新次元教育の挑戦(1)次のゴールへ

2018年21世紀型教育機構の加盟校は、それぞれ創意工夫しながら新次元教育の挑戦の局面を迎えた。2011年から21世紀型教育をリサーチし、教育イノベーションを実現し、アドミッション・ポリシーを確立し、カリキュラム・ポリシーを実践してきた。そして、2020年には、そのディプロマポリシーがある一定の成果を出すタイムスケジュールを立てているのであるが、はやくも2018年の春の段階で、3ポリシーとしての成果がでた。

 

【図1】

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