PBL

5・31 第1回21会カンファレンス 開催

☆5月31日(金)、富士見丘学園で、第1回21会カンファレンスが開催された。21会メンバー校12校が、全面的にPIL型の講義とPBL型学びを展開していくこと、そのために思考力テストを重視していくことを宣言し、具体的な取り組みや成果を報告した。

してもちろん、ビジョンはGIL=グロバル教育×イノベーション教育×リベラルアーツ。背景には今話題のIBにも通じるCEFR、Aレベル、bacが横たわっているが、今回はその深層には触れず、その暗黙知を見える化したものとして、「思考力テスト」「PIL×PBL」あるいは「哲学授業」×GILについて語られた。

まずは、21会会長の吉田晋先生(富士見丘学園理事長校長、日本私立中学高等学校連合会会長、現中教審メンバー)の開会宣言文をご紹介しよう。日本の教育の問題点とそれを乗り越える21会の使命について理解できる。(本間勇人 by 私立学校研究家)

 本日はご多用の中、学校関係の皆さまはもちろんのこと、教育関係企業の皆さまに多数ご参会いただき、誠にありがとうございます。21会のお仲間を代表して、心より御礼申し上げます。また、当初企画より多くの皆さまにご参加いただき、会場が手狭になり大変申し訳なく、お詫び申し上げます。

 さて、ここ十数年来、我が国では教育の荒廃が叫ばれ、それを水面下で守って来たのは私たち私立学校であると自負はしておりますが、実際にはこの60年以上の歳月の中で、高等学校も義務教育同然の進学率98%に達し、さらには高校無償化や公立学校の中高一貫教育の実施など、まさに私学化と言ってもよい状況が加わり、私立学校はまさに逆風の時代となってしまいました。

そういった中で、内向きな偏差値重視の知識詰め込み型・暗記型の教育でなければ難関大学に合格させられない、そしてその結果のみによって学校が評価され、本来の中等教育の目的である社会性を学び、人となりを育て、将来の夢や希望を見出し、その実現に必要な知識と教養を身に付けさせ、真に自らの進路に適した大学を選択するという場ではなく、極端な言い方をすれば、難関大学入学者数が多ければ良い学校であるという状況になってしましました。そしてまさに内向きな、海外に目を向けない自己満足の教育に陥っていまいました。

 しかし時代はいよいよ変化して来ました。こういう状況下で生徒が入学していく大学の資質について、成長戦略に伴うグローバル化社会に対応した人材の育成を求める政府・財界が、大きく口を出し始めたのです。皆さまご承知のように、現在進行中の教育再生会議において、教育全般を見直し、国際社会で対峙できる人材育成に向け、多くの提言が出されております。英語教育一つとっても、突然、大学卒業条件にTOEL IBT 90点以上とか、大学の授業の半分以上を英語で実施するなど、英語さえできれば国際人であるかのごとく提言です。

さらには、今週発表された第3次提言において、グローバル化に対応した教育環境づくりを進めるとして、平成29年までを大学改革実行集中期間と位置づけるとともに、小中校における英語教育の改善などを提示し、これが、中央教育審議会におりてくることとなります。私も現在、その中教審の委員を努めさせていただいておりますが、本当にこれが正しい教育再生に繋がるのか不安を抱いております。

21世紀の厳しい国際競争を勝ち抜くのには、グローバルな人材を生み出す大学の改革を、国際戦略の方向と有機的に関連付ける必要があることは事実ですが、果たして今の大学、特に旧態依然とした教授会という組織が、これに対応出来るでしょうか。いろいろな会合でお会いする私学団体の大学の理事長や学長の先生方は、十分に理解がされておられると感じますが、そのほとんどの方が抱いている問題が、学内の統一というか教授会です。

実際に中教審に出てきていらっしゃるその代表のような教授の先生方は、未だに高校生の学力が低いとか、学習時間が少ないといった責任転嫁がメインで、自らが学生確保のためにAOや推薦入試を増やし安易に入学を許可し、さらには、大学に入学さえすれば後はアルバイトに明け暮れ、教授陣も学習するように導くような指導をしないといった実情は、一切述べられません。

制度改革以前の問題を解消しなければ、絶対に前に進まないのではないでしょうか。まさに重要なのは、国際競争をリードするグローバル・エリートを国内で育てることを怠った我が国において、グローバル・リーダーとして名実ともにふさわしい人材を、大学がいかに養成するかとう問題ではないでしょうか。

そしてグローバル人材は、決して英語ができる話せるではなく、まさにこれをツールとして活用し、古今東西に及ぶ幅広い教養を基盤にした体系的な思考力、紛争や各種交渉など現実に提起されている課題への実践的な問題解決力が要求されるものと考えます。

そのためには、私ども中等教育の段階でも、今までの知識詰め込み型の従来型の教育から、思考力を育成するPBLのような課題解決型教育に舵を切らなくてはならないのではないでしょうか。

後ほどの平方先生のお話に関係しますので、少しご説明させていただきますが、文部科学省は、本年度予算から5千8百万円を投じ、国際バカロレア・ディプロマ・プログラムの日本語版開発・導入を始め、平成30年までに現在のIB認定校16校から200校に増加させるとしました。

そしてこのことは、今回の教育再生会議の第3次提言に載せられ、このIBとともに、スーパーグローバルハイスクールを指定し、外国語、特に英語を使う機会を拡大し、幅広い教養や問題解決力等の国際的素養の要請を支援するとしました。

このことは、今週月曜日の新聞に1面でリークされ、現在のスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール事業の延長として、学校側が国際的素養の育成に努め、英語教育を重視したカリキュラムを実施していること、英語を母国語とする教員を採用していること、海外留学に実績があること、などを実施している学校に対し、政府が財政的に支援することを検討しているとされておりました。

ただこれは、あくまでも提言の段階であり、実際に中教審で審議も始まっておりませんし、予算的な裏付けも全く見えていません。IBも開発費のみの計上であり、200校にすると言っていても、現状ではその学校に対する支援もありませんし、この成果を受け入れるべく大学側が、全く理解できておりません。

しかし、私ども21会が危惧し実践してきた教育に、ようやく光が見えてきたとは言えるものと思います。失礼な言い方ですが、気付くのが遅いんだよという感じですね。

そこで立ち上がったのが、私たち「21世紀型教育を創る会」つまり「21会」です。本日は私たち「21会」の挑戦とその成果を発表させていただく会として、今後の展望を報告させていただき、教育イノベーション渦巻く21会型市場を創設していく道をともに歩むことを、同志の学校・教育関係の皆さまに呼びかけ宣言させていただきます。

最後になりましたが、当初よりこの21世紀型教育の重要性を訴え、この会の設立にご尽力いただきました工学院の平方先生、新時代教育研究所の大橋先生、かえつ有明の石川先生、TESの本間さん、本学園の大島先生、そして本日まで深いご理解とご協力をいただきました21会会員の皆さまに改めて感謝申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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